磯俣総領事(大使)の挨拶(2021年新春:令和3年1月11日)

2021/1/11
コロナ克服の信念と、知恵と工夫で前進!
~長江デルタ地域のパワー活用に向けた官民対話も推進~


    新年を迎え、心新たにご挨拶申し上げます。昨年は、新型コロナに振り回された尋常ならざる一年でした。在留邦人の皆様におかれては、日本との自由な往来の制約を含め、なお種々の困難を抱えておられることと存じますが、苦労を一つ一つ乗り越えながら当地での仕事や生活を続けておられることに改めて敬意を表したいと思います。総領事館としましては、年の前半はコロナ禍の中での在留邦人・日系企業の皆様への支援に全力を注ぎ、後半からはオンライン・オフラインでの各種交流行事の主催や支援等、徐々に通常の活動も再開しました。例えば、江蘇省や浙江省の複数の都市で、日系企業を交えて地元政府との介護産業座談会等の経済交流支援に係る行事を行ったり、また11月には南京市で、「南京日中交流集中月間」と題して、設立10周年を迎えた南京日中友好柔道館での外務大臣表彰授与式、大学や高校を訪問しての講演・交流を実施することができました。
 
    コロナを巡っては、日本では1月7日に首都圏1都3県を対象に緊急事態宣言が改めて発出され、また世界の他の地域でも厳しい感染状況が続いています。他方、コロナウイルスを完全に除去することは困難かもしれませんが、適切な対応策の下でこれを有効にコントロールすることは可能でしょうし、ワクチンの接種が一般的に開始されれば、感染拡大の阻止も期待されます。コロナを克服し、社会経済活動が大きく回復し、人の往来にも支障がなくなる日が早期に来るとの信念を持って、徐々にではあれ前進する一年となることを皆様と祈念したいと思います。コロナはまた、世界に新たな生活スタイルをもたらし、新たなビジネスの機会も提供しています。様々な試みを許容する壮大な舞台であり、同時に、巨大な購買力を有する現実の市場でもある中国において、日中双方の関係者が力を合わせ、知恵と工夫で新たな歩みを進めることも可能と考えます。
 
    世界が不確実性と不透明性に満ちた状況であればこそ、日中関係の安定的発展が、単に二国間のみならず、地域及び世界の平和と安定と繁栄にとって極めて重要であることは、改めて言うまでもありません。ここで、過去10年以上にわたり日中関係の基本的な位置付けに用いられてきた「戦略的互恵関係」という言葉を今一度想起したいと思います。これは、2006年に当時の安倍総理大臣が訪中した際に、両国首脳間で認識の一致をみた概念であり、政治と経済という二つの車輪をそれぞれ力強く作動させ、日中関係を高度の次元に高めつつ、全世界の課題の解決にともに取り組むという考えを表したものです。この考え方は、引き続き日中関係の基礎を成しており、そうした礎の上で、日中双方が、お互いについて客観的に実情を把握し、錯綜する利害の中で協力可能性を見極め、互恵的な協力を着実に拡大していくことが益々必要になっていると考えます。
 
    そうした試みの一つとして、総領事館では、長江デルタ地域の活力を利用した経済交流を推進するための官民対話の実施を検討しています。日本の対中投資が成熟してきている中で、今後の両国経済関係の発展においては、ソリューション志向の質の高い企業間パートナシップを形成・促進していくことが必要と思われます。このような観点から、近く江蘇省蘇州市との間で、長江デルタ地域で事業活動等を展開されている日系企業の方々の参加を得て、健康産業等の具体的なテーマを設定した官民対話のメカニズムを作っていきたいと考えています。新たな協力可能性の発掘に向けて、御関心のある日系企業の皆様方には、是非積極的にご参加頂ければと思っております。
 
    日中間ではまた、相互の信頼の増進に向けての努力も引き続き重要であり、ハイレベルを含む政府間の相互信頼の醸成とともに、両国民間で共感や共鳴を生むような交流、特に若者同士の心と心が通うような交流が、両国関係の安定化装置として一層重要になっています。私は、上述の南京での大学生や高校生との交流において、中国の若者の日本に対する率直でストレートな関心を強く感じ、将来の両国間の協力と交流の発展可能性について大いに勇気付けられました。若者同士の交流が双方向で進むことが、日中新時代に向けての今後の両国関係の安定的発展と強化にとって不可欠だと考えます。
 
    総領事館としましては、引き続き当地の在留邦人の皆様の安全確保を最重要任務として、微力ながら日系企業支援や、経済、文化、人的交流等各種交流の促進に邁進し、できることを一つ一つ着実に進めていきたいと考えております。今年も、皆様方のご支援とご鞭撻を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
 
 
 
(動画)




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