磯俣総領事の挨拶 2019年春
平成31年4月10日
![]() 長かった雨天の日々もようやく過ぎ、花咲き、木々の緑も日増しに目立つ季節になりました。中国でもあちこちで桜を見ることができるのは、日本人として大変嬉しく、また誇りにも感じます。3月下旬には、江蘇省無錫市で行われた2019年無錫国際花見ウィーク及び日中桜友誼林建設32周年記念イベントに参加する機会がありました。 無錫市の黿頭渚公園には、1987年から日中双方の関係者が弛むことなく毎年続けてこられた植樹活動により、今や約3万本の桜の樹が植えられており、それらの樹々の桜が満開となった様子はまさに壮観でした。この無錫市のイベントは今や日中両国の枠を越えて国際的な桜鑑賞の行事になっていますが、その中心にある日本として、関係者の方々、そしてより多くの日本の人たちの参加を得て、引き続きこのイベントを盛り立てていければと感じました。 着任して3ヶ月が過ぎましたが、この間、当館の管轄している1市4省(上海市、江蘇省、浙江省、安徽省及び江西省)のできるだけ多くの方々と接触すべく、各地を訪問させて頂きました。各市・省の指導者との会見に加えて、現地の日本商工クラブ関係者等在留邦人の方々からもお話を伺う機会があり、更に、そうしたお話を基に、現地の皆様が抱えている課題や困難を現地当局へ伝達して状況改善へ向けての協力を要請する等の活動を展開しました。そのほか、例えば日中青少年交流推進年記念として日本の人気ダンス・ロックバンドであるDISH//の交流・公演会を主催したほか、上海交通大学と協力し“創新&共創”日中企業イノベーション協力フォーラムを実施しました。 本年は「日中青少年交流推進年」であり、当館としても関連の事業を実施・支援していますが、最近、植樹活動や短期留学のため日本へ行く中国の大学生や大学院生の壮行会を開催し、日本への出発を前に激励の声をかけました。現在の非常に発達した情報化社会においては、自国に居ながらにして諸外国の情報や知識が何でも得られるように思いがちであるが、その場に実際に行って、自らの目で見て、自ら体験してこそ、初めて自らのものとして真に知識や理解を得ることができることを強調して、日本で様々なことを経験してほしい旨伝えました。私自身、今回久しぶりの中国勤務で、これまでの自らのステレオタイプ的な中国観を変えさせられた点が既に多々あり、この「現場主義」を自らの教訓にもしていきたいと思っています。 引き続き、皆様方のご意見を伺いつつ、在留邦人の安全確保、日系企業の円滑な事業活動遂行支援、文化交流、人的交流等に取り組んで参りたく、ご協力、ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。 平成31年4月吉日
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