磯俣総領事(大使)の挨拶(2020年春:令和2年4月7日)

令和2年4月7日

 
ウイルスに打ち勝ち,早期の正常化へ!
東京五輪を成功させ,日中の友誼を更に強固に!
 
 新型コロナウイルス感染症は,今や世界の各地で猛威をふるっています。中国国内では,感染拡大状況は一定の落ち着きを見せつつありますが,現在は海外からの感染持ち込みへの警戒が強まっており,検疫,隔離等の措置が引き続き講じられ,又は強化されている状況です。
 
 当地在留邦人の皆様におかれては,この間,中国に残っておられた方も,最近中国に戻って来られた方も,中国国内の移動制限,入国時の検疫措置,入国後の隔離措置等で大変なご苦労をされたことと存じます。また,日系企業の皆様におかれては,感染予防対策を講じながら事業活動の早期正常化に向けて取り組まれる中で,職員の方々の完全な職場復帰,物流やサプライチェーンの円滑化,ご家族の帯同,お子さんの学校再開等の面でなお困難に直面しておられると思います。総領事館としましては,皆様のお役に立つような情報のタイムリーな提供,隔離措置で困難に遭遇した方々の問題解決等に努めてきましたが、引き続きできる限りの支援を行って参ります。
 
 世界的な感染拡大とその甚大な影響に効果的に対応するためには,国際社会全体の連携と協力が極めて重要です。3月中旬以降,日中韓,G7,G20といった国際的な枠組みにおいて首脳又は閣僚レベルで緊密な連携が行われており,直近のG20首脳テレビ会議では,リードスピーカーである安倍総理から,世界の英知を結集させて治療薬等の開発を一気に加速させることや,G20全体として強大な経済財政政策を実施すべきことを呼びかけ,各国の賛同を得ました。また,その一方で,日中両国の間では、早くから中央・地方の政府,友好都市,民間団体、一般市民といった様々なレベルで支援のメッセージや物資があちこちで交わされました。危難に直面しての隣国への思いやりと友情の自然な発露を目の当たりにして,私もまた,今後の両国間の協力・交流の一層の発展に向けて大いに勇気づけられました。
 
 今年予定されていた東京オリンピック・パラリンピックは,来年夏に延期となりました。この延期に当たり,安倍総理とバッハIOC会長は「東京五輪はこの困難な時期にあって希望の光を世界に放つ灯台であり,五輪の聖火はトンネルの出口を照らす光明となる」との合同メッセージを発出していますが,福島に運ばれた聖火は,現地でその火を灯し続けています。ここ華東地域においても,日中の経済ビジネス交流及び人的文化交流の最前線として,感染予防に引き続き最大限注意しながら,各種の事業を一日も早く全面的に再開できるよう,そして新型コロナウイルスに打ち勝った証として両国間の協力と交流が従来にも増して力強く発展するよう,日中双方の関係者で手を携えて,一歩一歩しかし着実に歩みを進めていきたいと思います。ホップ(新型コロナウイルス感染症への勝利と活動正常化),ステップ(来年の東京オリンピック・パラリンピックの成功),ジャンプ(2022年北京オリンピック・パラリンピック,そして日中国交正常化50周年へ向けて)!
 



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