在上海日本国総領事館 2019年総決算

令和元年12月27日
    早いもので,予定や成果がびっしり書き込まれた2019年のスケジュール帳もまもなく最後の1ページが閉じられようとしています。新たな一年を迎えるにあたり,当館の2019年の活動を振り返りました。
 
●磯俣総領事(大使)着任
    2019年1月10日,磯俣総領事が着任しました。一年をかけて当館の管轄する一市四省(上海市,江蘇省,浙江省,安徽省,江西省)の様々な場所を訪れ,2019年下半期には多くの大学で講演も行いました。
 

 

    磯俣総領事は2020年も様々な機会を利用して各地を訪問し,日中両国の文化・人的交流の強化に向けて全力を尽くす所存です。
 
●音楽に国境なし――盛り上がる日中音楽交流
    2019年は「日中青少年交流推進年」でもあり,日中の青少年間の相互理解や交流を深めるため,当館でも様々な青少年交流イベントを開催しました。
    特に音楽交流分野では,ダンスロックバンドDISH//の上海公演を皮切りに,ニューヨークでジャズアーティストとして活躍する大林武司さん・黒田卓也さんによる日中青少年音楽交流イベント,デビュー20周年を迎えた実力派デュオ・コブクロの初の上海公演,そしてアイドル柏木由紀さんのソロコンサートなど,魅力的なイベントが目白押しでした。これらに加え,当館とSHΔMP実行委員会の共催で,日中音楽史における節目となるような日中音楽ライブイベント「Shanghai Delta Music Park」も開催しました。
 

 
    両国間の音楽の出会いや融合を通じて,新たな命や創意が生まれ,日本の優れた若手アーティストが中国の観客と共に成長していくことを期待しています。
 
2019年日中交流集中月間
    2019年10月から11月にかけて,当館では様々な組織・団体と協力して「日中交流集中月間」を実施し,この2か月の間に管轄する一市四省(上海市,江蘇省,浙江省,安徽省,江西省)では数多くの日中交流イベントが開催されました。
    内容は多岐にわたり,日本文化紹介イベントのほか,「ハタチの一歩」夕食会や南京・日中学生手作り餃子交流会,2019年日中友好交流ピンポン大会など,バラエティ豊かなイベントが多数実施されました。
 







 
    2019年,華東地域では実に400を超える日本関連の公演や展覧会等が開催されました。今後もますます多くの素晴らしい交流機会が,当地の多くの方々の心に響くことを期待しています。とくに2020年は「日中文化・スポーツ交流推進年」,3年後の2022年には日中国交正常化50周年を迎えるにあたり,当館としても幅広い分野の交流や協力を積極的に行って参りますので,さらに多くの方々が仲間に加わってくださることを願っております。
 
●【創新×共創】日中企業アイデアソン
    2019年12月初頭に,当館にて「【創新×共創】日中企業アイデアソン」というイノベーションイベントを開催しました。これは,「新しい介護ビジネスモデルの提案」をテーマに,日中双方の若手ビジネスパーソンがブレインストーミングして意見を出し合い,24時間以内に発表するというものです。
 

 
    本イベントは明確なテーマを持っていただけでなく,おそらく日中外交史においても初めての試みとなりました。参加者は24時間という限られた時間の中で出し合った考えを見事に発表にまとめ,このような協力の潜在性の高さに専門家や研究者の先生方も驚かれていました。参加者がこの24時間の「アイデアソン」で鍛えたインスピレーションや創造力を活かし,今後も新しいビジネスモデルの実現可能性を模索し続けることを期待すると同時に,日中両国が協力して新たな未来を切り拓いていくことを願っています。
 
●“フライ&クルーズ”新モデル
    日本への旅行人気が高まっており,2019年の中国人訪日観光客の累計人数は前年を上回りました。観光客が日本を訪れる際に選ぶ交通手段は,依然として飛行機が第一候補ですが,クルーズ船を選ぶ方も多くいます。
 

 
    ここ数年,日中両国を往来するクルーズ旅行市場は急速に発展してきましたが,現在は調整期に入っています。この調整期をスムーズに進めるために,クルーズ旅行者の最大輸出国である中国と最大受入国である日本の関係者がより一層連携を深め,“フライ&クルーズ”といった新たなモデルも開発しながら,アジアクルーズ市場をさらに発展させていくことを期待しています。
 
●経済交流は着実に伸びしろを
    当館では中国の各政府部門との経済交流にも力を入れています。2019年は上海市発展改革委員会と共催で交流会を実施し,日系企業に向けて自由貿易試験区臨港新エリアや長江デルタ一体化の発展状況等について紹介しました。さらに,上海市商務委員会とビジネス環境の改善について意見交換を行いました。これらの経済交流が,日中双方のより強い協力に繋がることを期待しています。
 

 
    このほか,高齢化という日中共通で直面している重要な課題に対応するため,医療・介護分野での日中交流もますます増えてきています。華東地域は日中両国の経済・文化交流の最前線として,更なる協力や交流が進んでいくことを願っています。
 
●江蘇・浙江・安徽・江西でも日本文化
    上海市のほか,当館の管轄区域である江蘇省,浙江省,安徽省,江西省でも日本文化関連のイベントを開催しました。
    例えば,2019年5月20日から22日には,南京芸術学院の協力のもと,南京芸術学院の卒業制作発表イベントである「南芸520」にて,日中文化交流イベントとして,日本紹介映像制作集団・二更による映像上映・交流会,尺八奏者・き乃はち氏による演奏会,GABEZのHitoshi氏によるパントマイム公演を実施しました。いずれも満員御礼で,大盛況を博しました。
 

 
    また12月11日には,江西省の南昌大学にて,美しい着物の着付けイベントを行いました。着付師の姜依秋先生より日本の着物文化を紹介いただき,学生に着付けを体験してもらったほか,この日は併せて,当館の留学アドバイザーによる学生向け留学説明会や磯俣総領事による基調講演も行い,イベントに参加した学生たちと交流しました。
 

 
    来年はさらに多くの場所を訪れ,皆さんにお会いできるのを楽しみにしてます。
 
●匠の精神に触れる和食・伝統文化
    継承される技能や真摯に仕事に打ち込む姿勢に見られる匠の精神。日本の匠の精神は,工芸品だけでなく,食文化や伝統文化にも見ることができます。
    当館では,日本米,日本酒,和菓子など日本の食材や食文化のPRイベントを通じて,健康で美味しく,絶えず進化し続ける和食(WASHOKU)の魅力を皆さんに味わっていただきました。また,本格的な能楽やにぎやかな夏祭りなどのイベントでは,日本の伝統文化についてより深く知っていただける機会ともなりました。
 

 
    今後も引き続き様々なイベントを開催していきますので,ご期待ください!
 
    当館では,2020年も日中両国の交流促進と連携強化を目指して取り組んで参ります。引き続き変わらぬご支援・ご協力のほどよろしくお願いします。



【2019年活動報告】
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