総領事挨拶
(着任2周年を迎えて)
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皆様,こんにちは。在上海日本国総領事の片山和之です。2015年8月22日に赴任して丸2年が経過致しました。「光陰矢のごとし」,あっという間の2年間でした。
経済はもちろんのこと,あらゆる分野で目まぐるしく発展,変化する総領事館管轄地域(上海市,江蘇省,浙江省,安徽省,江西省)を目の当たりにし,毎日が新しい発見,そして「目から鱗」の連続です。思えば,留学のために初めて中国を訪れたのが1984年。改革・開放政策の導入直後から30数年の中国とのお付き合いの中で,この社会と人々の生活のダイナミックな変化を見てきました。
過去2年間を振り返ると様々な出来事がありました。昨年は,9月にG20杭州首脳会合が開催され,安倍総理,麻生副総理兼財務大臣他日本からも大型代表団が参加しました。日本代表団については,当館が受け入れ作業の主たる責任を担い,事前準備及び会議開催期間中は徹夜の連続でしたが,無事成功裏に終わりました。当館管轄地域を現役総理大臣が訪問するのは,2001年の上海APECの際の小泉総理以来でした。
本年は,日中国交正常化45周年の節目の年です。年初から当館管轄地域で行われた各種交流事業の内,実行委員会認定事業だけでも既に計40件を超えます。
当館管轄地域には,我が国の対中投資の8割,対中貿易の5割,対中進出企業の6割,中国在留邦人の5割,全世界の我が国在外公館が発給するビザの1/3が集中する正に日中交流の最前線です。
2016年の訪日中国人数は637万人,当館が発給したビザは175万件に達しています。本年は,昨年に続き中国人に対するビザの更なる緩和措置も取られました。交流は双方向であり,訪中日本人の増加も期待したいところです。
対日理解促進のために等身大の日本人や日本社会を中国の皆様に伝えるべく,私は,過去2年間でメディアのインタビューや寄稿依頼を計34回受け,特に日中関係の将来を担う若い世代の対日理解を深めるべく大学その他の場所で計23回講演会を実施しました。また,月1回,大学生を公邸に招待し懇談しています。上海地域の若者や中間層の対日関心の高さには驚くとともに嬉しく思っています。
在留邦人の皆様との関係では,①生活安全面の支援,②各種領事サービスの提供,③日系企業の投資環境改善,④子女教育の支援,を大きな柱に引き続きサービスの向上に努めます。日系企業支援の関係では,過去2年間で企業訪問回数39回,記念行事・主催行事への参加回数72回,企業関係者との意見交換回数322回,そして,当館の日本企業支援件数は2016年度には777回に達しました。更にこれ以外にも上海日本商工クラブをはじめ管轄地域内各地の商工クラブ,日本人会とも活発に意見交換をし,問題意識を汲み取り,必要に応じて関係当局に申し入れを行って参りました。各地の日本人学校・日本語補習授業校についても安全対策の強化に努めているほか,入学式,卒業式,運動会,記念行事等の機会にしばしば訪問し,また,関係者と意見交換しています。
来年は,日中平和友好条約締結40周年です。最近では7月のハンブルクにおける安倍総理と習近平国家主席との間で行われた日中首脳会談をはじめ,マルチの場におけるハイレベルの交流も活発となり日中政治関係も改善が進んでいます。この動きが両首脳の二国間訪問に繋がっていくことを期待しています。
当館としても,このようなモメンタムを活かして,日本と当地との各界各層における経済,文化,人的・知的交流の一層の拡大と深化を通じて日中両国民間の「相互互恵」と「心と心の触れ合い」を促進して参りたいと存じますので,引き続き日中の皆様方のご支援をお願いします。3年目も館員一同一生懸命頑張ります!
平成29年8月
在上海日本国総領事
片山和之