総領事挨拶
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5年前の今日、2011年3月11日、東日本大震災が発生しました。
津波に襲われた東北地方は甚大な被害に見舞われ、死亡・行方不明は18,455人に上りました。当時、ブリュッセルで勤務していた私は、執務室のテレビでその様子を見て、声も出ない程のショックを受けました。
日本全体が深い悲しみに包まれる中、中国政府及び国民の皆様からの支援は本当に有り難いものでした。震災日から3日後には、15名の中国緊急援助隊が岩手県大船渡で活動を始めてくれました。また、中国政府からは、計3,000万元分に上る緊急支援物資が提供され、中国の各団体・個人の皆様からも多くの義援金をいただきました。既に歴代総理から謝意表明がされておりますが、私としましても、みなさまの温かく、心強いご支援に対し、改めて、心より感謝と敬意を表したいと思います。
あれから5年、中国を含む世界中からの支援を受け、東北地方は今、力強く復興しています。避難者数はピーク時の47万人から18.2万人に減少し、津波によって生じた大量のがれきは岩手県・宮城県では既に100%が撤去され、福島県でも97%が撤去されています。学校・医療施設については全体の95%以上が復旧し、被災3県の水産加工場は85%が営業を再開しており、地域社会・地域産業は着実に回復しています。また、そもそも海沿い以外は津波の被害を受けていない地域が大部分です。
食、温泉、祭り、歴史、自然といった豊かな文化を有し、2011年6月には、岩手県の平泉が世界遺産に登録される等、多くの魅力を有する奥深い地域。それが東北地方です。 当館では、このような東北の魅力をPRし、東日本大震災の風評被害の払拭に努めています。昨年、有名ブロガー等を東北地方へお招きして、その魅力や安全性等について情報発信していただいたほか、上海市内でPRイベントを開催し、温泉や祭りといった各地方の「一押し」の展示、郷土料理やわんこそばといった試食・体験イベント、ゆるきゃらショー等、多彩なプログラムを行いました。来場した上海周辺の多くの方々は、東日本の魅力を肌で感じるとともに、安全性についても理解を深めて下さったようです。
しかし、残念なことに、日本の食品については、今だに正しく理解されていません。震災後、そして今なお、東日本の10都県の食品は中国への輸入が禁止されているというのが現状です。日本の食品は、国際的にも適正な基準値設定、厳格な検査体制、迅速な出荷制限によって、安全性が確保されています。基準値を超える割合は全体の0.2%までに減少しており、基準値を超えた食品は直ちに出荷制限されて市場に出回ることはありません。
HPをご覧の皆様にはぜひ、現時点において当地では味わうことのできない安全で美味しい海の幸、山の幸を、実際に東北地方に赴き堪能してきていただければと思います。
当館が発給する東北3県マルチビザも昨年1月以降、一部要件を緩和しており、その取得者は昨年1年で12倍に伸びていますので、皆様も是非活用していただければと思います。
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