皆様,はじめまして。8月22日,新しい在上海日本国総領事として当地に着任しました片山和之(かたやま かずゆき)と申します。中国生活は,1984~86年の北京での留学,87~89年,97~99年及び08~10年の3回に亘る大使館勤務を含めて4度に亘り経験し,今回が5回目になりますが,上海での勤務そして生活は初めてです。その意味で,大きな期待と少しの不安を持ってやって参りました。
最初に上海を訪れたのは1984年のクリスマスの頃でした。まだ,改革・開放政策が上海には本格的に及んでおらず,一番高かったビルが1949年の中華人民共和国の建国前に建設された南京路の国際ビルで,20数階の建物でした。浦東の開発はまだ始まっていませんでした。1992年に天皇皇后両陛下に随行して上海を訪れた際には浦東にある農家を訪問したことを覚えています。そして,今や,上海は世界を代表する国際大都市に発展し,管轄地域の在留邦人数も世界有数となりました。日系企業数は2万社を越え,査証発給件数も世界一と聞いています。
私が外務省に入ったのは,もう32年前になりますが,これまで,在外では,香港,中国,米国,マレーシア,ベルギーに勤務し,直前にはデトロイトの総領事をしていました。今回,こうして再び中国に,しかも在上海総領事として新しい勤務地を与えられたことをとても有り難く思っています。当地在勤中,以下の諸点を念頭に置きながら勤務に励みたいと存じます。
第一に,当地の日本ファンを増やしていきたいと思います。できるだけ多くの管内の中国人,特に若者との交流等を通じて,現代の日本や日本人をできる限り等身大で伝え,日本の理解者や友人を増やしていきたいと思います。
第二に,在留邦人や日本企業関係者にとり,頼りになる総領事館を目指します。言い換えれば,「敷居の低い」総領事館として活動したいと思います。管内には6万を越える在留邦人が居住しており,当地での生活やビジネスを行っていく上で直面する貿易・投資上,生活・安全上,文化上の諸問題の改善に当たって,総領事館としても可能な限りの支援をさせて頂きたいと考えています。
第三に,当地に生活して華北とはまた異なる華東の文化や風土をしっかり学びたいと思います。
当地初心者ではありますが,是非とも皆様どうか宜しくお付き合い下さい。
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