在上海日本国総領事館
Consulate-General of Japan in Shanghai

総領事挨拶

 

（着任１年を迎えて）

    皆様、こんにちは。在上海日本国総領事の片山和之です。昨年８月２２日に当地に着任して早１年が経過いたしました。中国での生活は今回で５回目となりますが、経済はもちろんのこと、あらゆる分野で目まぐるしく発展、変化する中国を目の当たりにし、毎日が新しい発見の連続です。
    さて、着任以来の１年間を振り返ってみると様々な出来事がありました。例えば、昨年１０月には南京で大規模文化行事を、１１月には東日本大震災復興のための風評被害対策イベント、１２月には鄭励志先生に対する叙勲伝達式を開催し、今年に入ってからは、３月に東日本大震災５周年イベントや日本料理デモンストレーションを、５月には假屋崎省吾氏による生花デモンストレーションを、６月には熊本地震復興関連イベントを、９月には日中合作の音楽コンサートを実施いたしました。
    また、今年はG２０イヤーということもあり、G２０財務大臣会合やG２０貿易担当大臣会合がそれぞれ上海市で開催され、さらに、去る９月４日、５日は浙江省杭州市においてG２０首脳会合が開催され、安倍総理及び麻生副総理兼財務大臣が出席されました。５日午後には、安倍総理と習近平国家主席との間で３回目となる日中首脳会談が行われました。
    青少年交流、文化交流、人的交流の面でも、着実に前進をしております。当館といたしましても、上海市を含む当館管轄地域において様々な文化交流活動を積極的に実施・支援してまいりました。
    また、特筆すべきは観光交流であり、中国から日本を訪れる観光客は急速に増加しており、当館も昨年一年間だけで約１５５万件の査証を発給いたしました。この数は一昨年の８７万件の２倍近くにあたりますが、喜ばしいことに、訪日した中国人観光客の圧倒的大多数が日本にとても良い印象を抱いて帰国し、リピーターとなっています。
    対日理解促進のために日本や日本人を等身大で中国の皆様に伝えるべく１年間でインタビューを計２１回受け、特に日中関係の将来を担う中国の若年層の対日理解を深めるべく各大学等での講演も１１回実施しました。このように、日中両国の国民レベルでの相互理解は進んでいます。さらに、来年は日中国交正常化４５周年、再来年は日中平和友好条約４０周年と記念すべき年を迎え、当館といたしましても、ますますこのモメンタムを推進していく所存です。
    さらに、当地の在留邦人の皆様が安心して生活を送れるよう総領事館の最重要任務と位置付け、政府機関と緊密に連携しつつ当地の治安事情について日々情報収集に努め、在留邦人の皆様や日本人学校の安全確保を関係部門に要請してきました。また、インフルエンザ情報や台風情報等を迅速に在留邦人の皆様にお届けし、当館日本人窓口のサービス向上にも努めました。
    また、日本企業支援も総領事館のもう一つの最重要任務と位置付け積極的な活動を展開してまいりました。具体的には一年間で日本企業訪問回数は２７回、企業記念行事・主催行事への参加回数は３９回、日本企業関係者との意見交換回数は１０８回にのぼり、当館の日本企業支援件数は２０１５年で見ると８４９件となっています。更にこれ以外にも上海日本商工クラブをはじめ管轄内各地の商工クラブ、日本人会とも活発に意見交換を行いました（計２６回）。
    今後とも、以下の諸点を念頭に置きながら勤務に励んでまいりたいと存じます。
    第一に、引き続き在留邦人や日本企業関係者にとって敷居の低い頼りになる総領事館を目指します。これまで同様、当地での生活やビジネスを行っていく上で直面する生活・安全上、貿易・投資上、文化上の諸問題の改善に当たって、総領事館として可能な限りの支援をさせて頂きたいと考えています。
    第二に、文化・人的交流、経済交流の拡大等を通じて日本の魅力を発信し、特に若年層の知日派を増やすことを目指します。　
    第三に、当館が、当地で活躍する皆様にとっての「ネットワーク」のハブとなり、各分野でネットワークの網の目を拡げることで、新たな付加価値が生み出されるよう、努力してまいります。
    今後とも皆様どうぞよろしくお願いいたします。

平成28年9月
在上海日本国総領事
片山和之

●2017年：東日本大震災　片山総領事メッセージ

●平成28年熊本地震に係る総領事メッセージ

●東日本大震災5周年記念総領事挨拶

●着任挨拶