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鳥インフルエンザ関連情報(第30報)

(江西省、湖南省における新たな感染例の確認など)

                                                                                                                  在上海日本国総領事館

                                                                                                                        2013年4月28日

1.27日、湖南省衛生庁は、同省の64歳の女性と、江西省から転院して同省で治療を行っていた54歳の男性の計2名について、鳥インフルエンザA(H7N9)の感染を確認したことを発表しました。感染例等に関する発表の主な内容は下記のとおりです。


(1)女性、管某、64歳、湖南省邵陽市在住。14日に全身倦怠感、38度から39度の発熱。25日午前に邵陽市疾病予防コントロールセンター(CDC)、同日午後に湖南省CDC、27日に中国CDCで鳥インフルエンザA(H7N9)の感染陽性を確認し、その後に診断が確定した。管某は、発症4日前に家禽類との接触があった。抗ウイルス治療等により、病状は多少改善した。濃厚接触者41名には現時点では異常は見られない。

 

(2)男性、焦某、54歳、江西省宜春市銅鼓県在住、豚の煮込み肉販売。15日に発熱、のどの痛みを訴え、17日から19日にかけて銅鼓県の医院で受診、22日に湖南省瀏陽市人民医院で受診。26日に湖南省長沙市公共衛生救命センターに転送、27日に鳥インフルエンザA(H7N9)の感染を確認。湖南省における濃厚接触者51名には現時点では異常は見られない。 (当館注:当該男性は、江西省で発症したことが明らかであるため、下記2.では江西省の感染者としてカウントしています。また、地元メディアに湖南省の衛生当局者が語ったところによれば、焦某は、農貿市場で営業しており、周囲で活きた家禽の取引が多かったことが指摘されています。)

 

2.これにより、中国本土における鳥インフルエンザA(H7N9)の感染者数は、上海市、安徽省、江蘇省、浙江省、北京市、河南省、山東省、江西省、福建省、湖南省の2市8省の計121名(上海33名、安徽4名、江蘇27名、浙江45名、北京2名、河南4名、山東省1名、江西省3名、福建省1名、湖南省1名)となり、そのうち、死者は23名(上海12名、安徽1名、江蘇4名、浙江6名)となりました。
※上記感染者数には、臨床症状がなかった北京市の男児の感染例1例が含まれています。
※中国国家衛生・計画生育委員会は、24日に感染状況を発表した際に、「関連の規定に従い、24日以降は感染状況の情報は各週ごとの発表とする」とし、27日の中国全体の感染状況については、同委員会の発表は確認されていません。したがって、上記の感染者等の数字は、各省の衛生部局がそれぞれ発表したことが確認されたものを集計して算出しています。

 

3.上海市の政府は、27日、鳥インフルエンザA(H7N9)の新たな感染例は確認されず、2名の患者が治療の後退院したことを発表しました。発表の内容は以下のとおりです。
(1)27日17時時点において、上海市において新たな感染例はなかった。
(2)以下の2名が上海市公共衛生臨床センターでの治療の後、回復、退院した。
(ア)女性、金某、81歳、上海市在住。9日感染確認。(当館注:右女性の感染については、11日付の当館の「鳥インフルエンザ関連情報(第12報)」もご参照願います。)
(イ)男性、張某、47歳、上海市在住。16日感染確認。(当館注:右男性の感染については、17日付の当館の「鳥インフルエンザ関連情報(第18報)」もご参照願います。)

 (ウ)27日17時現在、上海市における感染者数は計33名で、そのうち10名の患者が治療を行っており、計11名の患者が回復、退院し、12名の患者が治療の甲斐なく死亡した。

 

4.中国メディアの報道によれば、浙江省で鳥インフルエンザA(H7N9)に感染し、治療を受けていた患者6名が、27日午前、浙江大学附属第一医院から退院しました。報道の主な内容は下記の通りです。
(1)退院の会見において、中国工程院院士であり、全国鳥インフルエンザA(H7N9)治療チームの副チーム長、中国衛生・計画生育委員会伝染病重点研究室主任である李蘭娟院士は、今回の退院により、浙江大学附属第一医院の鳥インフルエンザA(H7N9)治療は、方法模索の段階から成熟の段階に移行したと述べた。同院士によれば、同病院は27日までに44例の患者を受け入れ、中国内で最も多くの患者を治療する病院となっているが、8名が退院し、10名が普通病棟に移っており、治療における死亡率は全国で最低となっている。李院士は、治療に当たり、抗生物質の投与をやめ、抗ウイルス薬を投与するといった「四抗二平衡」の治療方針を採用している。これは、抗ウイルス治療、抗低酸素血症・多臓器不全、抗ショック治療、抗感染治療と電解質・pHバランスの維持、人体内の微生物バランスの調節からなる。
(2)取材によれば、退院したのは、苗某(80歳、男性)、廖某(37歳、女性)、王某(33歳、女性)、胡某(男性)、孫某(女性)、舒某(男性)である。(当館注:王某(33歳、女性)を除くそれぞれの患者は、当館の「鳥インフルエンザ関連情報」の第16報、第20報、第12報(または第18報)、第18報(または第23報)、第22報で既報の患者に該当するものと思われます。)
(3)王某(女性、33歳)は、湖州の医療関係者であり、16日から隔離病棟で治療を受け、20日には普通病棟に移った。

 

5.25日、英医学誌ランセットは、浙江大学と香港大学の合同調査チームが浙江省の鳥インフルエンザA(H7N9)感染者4名について研究を行った成果として発表した論文を掲載しました。報道によれば、論文の主要なポイントは以下の通りです。
(1)鳥インフルエンザA(H7N9)の感染が確認された浙江省の患者4名を対象にした調査の結果、4名はいずれも活きた家禽類との接触歴があり、また、患者の体内のウイルスと活きた家禽交易市場のニワトリのウイルスの遺伝子の一部の配列が99.4パーセント以上一致することがわかった。このことから、活きた家禽市場が鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルスの主要な感染源であることが証明される。(当館注:一方、合同調査チームの香港大学のヘッドである袁国勇氏は、「主要な感染源」は全ての感染が鳥もしくは家禽からであることは意味しないとコメントしています。)
(2)鳥インフルエンザA(H7N9)は、ヒトが当該ウイルスに感染する前に家禽類の発病、死亡が無かったという点で、その他の鳥インフルエンザと異なる。
(3)研究の対象となった303名の濃厚接触者と防護措置をとっていなかった82名の医療関係者の中には、ヒト-ヒト感染の事例は起きておらず、現時点でのヒト-ヒト感染能力は比較的低いと思われる。

 

6.かかる状況を受けて、在留邦人の方におかれては、以下の諸点にご注意願います。また、労働節期間中の旅行に関しては、17日付の「鳥インフルエンザ関連情報(第19報)(労働節期間中の旅行についての注意喚起)」もご参照願います。

(1)発熱、咳などの呼吸器感染の症状が発症、特に高熱の発症や呼吸困難の症状が見られた場合は速やかに医師の診断を受けるようにお願い致します。医療機関受診の際の注意点等については、3日付で当館ホームページに掲載した「鳥インフルエンザ関連情報<国立感染症研究所の解析結果及び医療機関受診の際の注意など>」(http://www.shanghai.cn.emb-japan.go.jp/life/new130403-2.html)も御参照下さい。

(2)不用意に鳥・家畜に近寄ったり触れたりせず、手洗い、うがい等を励行し、衛生管理に十分注意してください。また、十分な栄養、睡眠をとり、平素からの体調管理に気をつけてください。
(3)外出する場合には、人混みはできるだけ避け、人混みではマスクをする等の対策を心がけてください。
(4)その他、感染地域滞在の注意事項については、「海外渡航者のための鳥及び新型インフルエンザに関するQ&A」を御参照ください。(http://www.anzen.mofa.go.jp/kaian_search/influ_qa.html

 

7.当館では新たな情報が得られ次第、当館ホームページ等でお知らせします。

 

 (参考ホームページ等)
○外務省領事サービスセンター
住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(代表)03ー3580ー3311(内線)2902
○外務省領事局政策課(海外医療情報)
電話:(代表)03ー3580ー3311(内線)2850
○外務省海外安全ホームページ:http://www.anzen.mofa.go.jp/index.html
○鳥インフルエンザに関する情報(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou02/index.html
○海外渡航者のための感染症情報(厚生労働省検疫所)http://www.forth.go.jp
○高病原性鳥インフルエンザ(国立感染症研究所感染症情報センター)
http://idsc.nih.go.jp/disease/avian_influenza/index.html
○鳥インフルエンザに関する情報(農林水産省)
http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/tori/index.html
○Avian influenza(世界保健機関(WHO))
http://www.who.int/csr/disease/avian_influenza/en/
○国際獣疫事務局(OIE)
http://www.oie.int/eng/en_index.htm