1.国立感染症研究所が今般中国で感染が確認されたH7N9型鳥インフルエンザウイルスの遺伝情報を解析した結果、同ウイルスの一部に変異が見られ、ヒトへの感染性が高まっている可能性があることが判明しています。解析にあたった同研究所の田代インフルエンザウイルス研究センター長は、報道機関によるインタビューにおいて、「H7型のウイルスは通常毒性はそれほど強くないとされるが、免疫のある人が殆どいないため、感染すると重症化するおそれがある」等と指摘しています。なお、2日に上海市政府が行った記者会見等では、現時点においてヒトからヒトへの感染は確認されていないとされています。
2.かかる状況を受けて、在留邦人の方におかれては、以下の諸点にご注意願います。
(1)発熱、咳などの呼吸器感染の症状が発症、特に高熱の発症や呼吸困難の症状が見られた場合は速やかに医師の診断を受けるようにお願い致します。
なお、現時点では、特に最初に受診する医療機関に関する指定はなされていないので、最寄りの医療機関で受診してください。
(2)3日付当地紙「東方早報」は、発熱者が第6人民医院で受診した際の流れとして下記の通り説明しており、この他の中国系の国公立病院でも同様の流れになることが予想されます。
・発熱した患者は、まず問診で体温を測定し、医院側は基本的な流行病に関する調査を行う。
・発熱と咳の症状がみられる患者、38度以上の熱がある患者は、必ず、まず発熱外来での診察を受ける。
・仮に患者に呼吸気道の伝染病の可能性があれば、医院側は専門家チームによる診察を行うとともに、患者のモニタリング及び標本の採取及び区のCDC(疾病予防コントロールセンター)への送付検査
を行う。
(3)なお、過去の例に鑑みれば、今後、万一H7N9型鳥インフルエンザの感染と確定診断された場合は、患者はそのまま隔離にまわされ、専門の施設で治療を受けることになることも予想されるところ、受診の際には必ず携帯電話と充電機器、最小限の着替え等をご用意ください。仮に、隔離施設で治療を受けることになった場合には、必ず総領事館(鳥インフルエンザに関する限定携帯:13818804925)へのご連絡をお願いします。なお、2009年当時に新型インフルエンザ(H1N1型)が流行した際の中国での受診の流れについて、09年5月7日付で「新型インフルエンザ関連情報(病院での受診後の流れ)」を当館ホームページに掲載しており、同ページには発熱外来が設置されている医療機関のリンクも張られているところ、必要に応じご参照ください。
(4)生きた鳥が売られている市場等で不用意に鳥・家畜に近寄ったり触れたりせず、手洗い、うがい等を励行し、衛生管理に十分注意してください。また、十分な栄養、睡眠をとり、平素からの体調管理に気をつけてください。
(5)清明節期間中に中国国内を旅行する場合には、人混みはできるだけ避け、人混みではマスクをする等の対策を心がけてください。
(6)その他、感染地域滞在の注意事項については、「海外渡航者のための鳥及び新型インフルエンザに関するQ&A」を御参照ください。
3.当館では新たな情報が得られ次第、当館ホームページ等でお知らせします。
(参考ホームページ等)
○外務省領事局政策課(海外医療情報)
電話:(代表)03ー3580ー3311(内線)2850
○外務省海外安全相談センター
電話:(代表)03ー3580ー3311(内線)2902
○外務省海外安全ホームページ:http://www.anzen.mofa.go.jp/index.html
○鳥インフルエンザに関する情報(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou02/index.html
○海外渡航者のための感染症情報(厚生労働省検疫所)http://www.forth.go.jp
○高病原性鳥インフルエンザ(国立感染症研究所感染症情報センター)
http://idsc.nih.go.jp/disease/avian_influenza/index.html
○鳥インフルエンザに関する情報(農林水産省)
http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/tori/index.html
○Avian influenza(世界保健機関(WHO))
http://www.who.int/csr/disease/avian_influenza/en/
○国際獣疫事務局(OIE)
http://www.oie.int/eng/en_index.htm