1.上海市、浙江省の政府は、21日、鳥インフルエンザA(H7N9)の新たな感染例を計6例確認し、新たな感染例1名を含む2名が死亡したこと等を発表しました。感染例等に関するそれぞれの発表の内容は以下のとおりです。
(1)上海市発表(ただし、江蘇省の感染者数に計上)
男性、楊某、68歳、江蘇省出身、退職者。13日、発熱、咳、痰などの症状が発症。16日から19日、江蘇省溧陽市人民医院にて、左下肺炎と診断、治療するも好転がみられず。19日、同地の救急車により、上海市肺科医院に搬送され受診、重症肺炎と診断、入院。現在、治療中。20日、鳥インフルエンザA(H7N9)の感染を確認。上海市における濃厚接触者は3名であり、現在までに異常は見られない。当該患者は、江蘇省で発病したため、江蘇省の鳥インフルエンザA(H7N9)感染者例としてカウントされる。
(2)浙江省発表
(ア)21日までに下記5名の感染を新たに確認した。1名が死亡。現在、その他4名も病状は重く、杭州市の某医院にて治療中。
(a)女性、王某、68歳、杭州市在住、農民。12日発病。
(b)男性、羅某、76歳、嘉興市在住、農民。8日発病。21午前、病状の悪化により死亡。
(c)女性、管某、81歳、湖州市在住、無職。12日発病。
(d)男性、金某、58歳、杭州市在住、無職。16日発病。
(e)女性、沈某、79歳、杭州市在住、農民。13日発病。
(イ)14日に感染診断が確定し、危篤だった王某(女性、62歳、退職、湖州市在住)は、病状が悪化し、治療の甲斐なく20日晩に死亡した。(当館注:右女性の感染については、15日付の当館の「鳥インフルエンザ関連情報(第16報)」もご参照願います。)
2.上海市政府は、21日、これまで感染が確認された3例の患者が退院したことを発表しました。 患者に関する情報は以下のとおりです。これにより、上海市で確認された33例の患者のうち、14名が現在治療中、8名が退院、11名が死亡となりました。
(1)男性、李某、67歳、上海市在住。7日に感染を確認、上海市公共衛生臨床センターで治療(当館注:右男性の感染については、7日付の当館の「鳥インフルエンザ関連情報(第9報)」もご参照願います。)。
(2)男性、唐某、68歳、上海市在住。10日に感染を確認、上海市公共衛生臨床センターで治療(当館注:右男性の感染については、12日付の当館の「鳥インフルエンザ関連情報(第13報)」もご参照願います。)。
(3)男性、宋某、54歳、江西省出身。13日に感染を確認、上海市公共衛生臨床センターで治療(当館注:右男性の感染については、15日付の当館の「鳥インフルエンザ関連情報(第16報)」もご参照願います。)。
3.上海市は中国衛生・計画生育委員会及びWHOが共同で発足させた鳥インフルエンザA(H7N9)調査グループが20日に上海に到着し、3日間の調査を始めたことを発表しました。20日午後、上海市当局関係者との意見交換等を行い、上海市公共衛生臨床センターを視察しました。同グループは、国内外の流行病学者や実験室、臨床管理等の専門家からなっています。
4.これにより、鳥インフルエンザA(H7N9)の感染者数は、上海市、安徽省、江蘇省、浙江省、北京市、河南省の2市4省の計103名(上海33名、安徽3名、江蘇24名、浙江38名、北京2名、河南3名)となり、そのうち、死者は20名(上海11名、安徽1名、江蘇3名、浙江5名)となりました。
※上記感染者数には、臨床症状がなかった北京市の男児の感染例1例が含まれています。
5.かかる状況を受けて、在留邦人の方におかれては、以下の諸点にご注意願います。また、労働節期間中の旅行に関しては、17日付の「鳥インフルエンザ関連情報(第19報)(労働節期間中の旅行についての注意喚起)」もご参照願います。
(1)発熱、咳などの呼吸器感染の症状が発症、特に高熱の発症や呼吸困難の症状が見られた場合は速やかに医師の診断を受けるようにお願い致します。医療機関受診の際の注意点等については、3日付で当館ホームページに掲載した「鳥インフルエンザ関連情報<国立感染症研究所の解析結果及び医療機関受診の際の注意など>」(http://www.shanghai.cn.emb-japan.go.jp/life/new130403-2.html)も御参照下さい。
(2)不用意に鳥・家畜に近寄ったり触れたりせず、手洗い、うがい等を励行し、衛生管理に十分注意してください。また、十分な栄養、睡眠をとり、平素からの体調管理に気をつけてください。
(3)外出する場合には、人混みはできるだけ避け、人混みではマスクをする等の対策を心がけてください。
(4)その他、感染地域滞在の注意事項については、「海外渡航者のための鳥及び新型インフルエンザに関するQ&A」を御参照ください。(http://www.anzen.mofa.go.jp/kaian_search/influ_qa.html)
6.当館では新たな情報が得られ次第、当館ホームページ等でお知らせします。
(参考ホームページ等)
○外務省領事サービスセンター
住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(代表)03ー3580ー3311(内線)2902
○外務省領事局政策課(海外医療情報)
電話:(代表)03ー3580ー3311(内線)2850
○外務省海外安全ホームページ:http://www.anzen.mofa.go.jp/index.html
○鳥インフルエンザに関する情報(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou02/index.html
○海外渡航者のための感染症情報(厚生労働省検疫所)http://www.forth.go.jp
○高病原性鳥インフルエンザ(国立感染症研究所感染症情報センター)
http://idsc.nih.go.jp/disease/avian_influenza/index.html
○鳥インフルエンザに関する情報(農林水産省)
http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/tori/index.html
○Avian influenza(世界保健機関(WHO))
http://www.who.int/csr/disease/avian_influenza/en/
○国際獣疫事務局(OIE)
http://www.oie.int/eng/en_index.htm