1.上海市政府は、6日、7日にそれぞれ2例、計4例の患者について、「H7N9型」鳥インフルエンザウイルスの感染を新たに確認したことを発表しました。感染者の状況は以下のとおりです。
(1)6日夜発表分
ア 男性、周某、74歳、上海市民、農業従事。3月28日、倦怠感、息切れ、発熱の発症。3月31日、奉賢区中医医院で診察、4月5日華東医院で診察、重症肺炎と診断。6日、「H7N9型」鳥インフルエンザウイルスの感染を確認。濃厚接触者は5人であり、現在までに異常は見られない。
イ 男性、楊某、66歳、上海市民、退職者。3月29日、悪寒、身体の不調。4月2日、第十人民医院で診察、急性上気道感染症と診断、対症療法を行う。4日、症状に回復が見られず、咳、発熱の症状が発症したため再度第十人民医院で診察、肺炎と診断。6日、「H7N9型」鳥インフルエンザウイルスの感染を確認。濃厚接触者は6人であり、現在までに異常は見られない。
(2)7日夕発表分(速報)
ア 男性、沈某、59歳、安徽省出身。
イ 男性、李某、67歳、上海市民。
いずれも、7日に「H7N9型」鳥インフルエンザウイルスの感染を確認し、治療中。濃厚接触者の異常は現時点では見られない。
2.これにより、「H7N9型」鳥インフルエンザウイルスの感染者数は、上海市、安徽省、江蘇省、浙江省の1市3省の計20名となり、そのうち、死者は6名となりました。
3.7日、中国国家食品安全リスク評価センターがH7N9型鳥インフルエンザウイルスに関する食品安全予防策を発表したところ、そのポイントは以下のとおりです。
(1)ウイルスの適応能力
鳥インフルエンザウイルスは、低温には強いが熱には弱い。65度の加熱30分、または煮沸(100度)2分でウイルスは死滅する。ウイルスは、低温の排泄物の中で1週間、4度の水の中で1カ月生存する。
(2)感染経路
気道感染だけでなく、感染した家禽の分泌物や排泄物との濃厚接触でも感染しうる。
(3)予防措置
H7N9型鳥インフルエンザウイルスの感染源及び感染経路は未だ明らかではないが、以下の措置は感染の予防に有効である。
ア 病気・病死した家禽、家畜との接触、食用を避ける。検疫証明のない家禽・家畜肉(生きたもの、生のもの、冷凍もの等)及びその産品の購入を避ける。
イ 家禽、家畜肉及び卵はしっかり火を通す。
ウ 調理の際は、生ものを扱う器具とそれ以外の器具をしっかり分け、家禽・家畜肉を調理した包丁やまな板で調理済みの食品を扱ってはいけない。
エ 個人の衛生習慣を良好なものに保ち、生水を飲まない。
オ 常に手洗いをし、手を衛生的に保つ。調理前、調理中、調理後、食事前、食後、肉や生卵を扱った後は手を洗う。
4.かかる状況を受けて、在留邦人の方におかれては、以下の諸点にご注意願います。
(1)発熱、咳などの呼吸器感染の症状が発症、特に高熱の発症や呼吸困難の症状が見られた場合は速やかに医師の診断を受けるようにお願い致します。医療機関受診の際の注意点等については、3日付で当館ホームページに掲載した「鳥インフルエンザ関連情報<国立感染症研究所の解析結果及び医療機関受診の際の注意など>」も御参照下さい。
(2)不用意に鳥・家畜に近寄ったり触れたりせず、手洗い、うがい等を励行し、衛生管理に十分注意してください。また、十分な栄養、睡眠をとり、平素からの体調管理に気をつけてください。
(3)外出する場合には、人混みはできるだけ避け、人混みではマスクをする等の対策を心がけてください。
(4)その他、感染地域滞在の注意事項については、「海外渡航者のための鳥及び新型インフルエンザに関するQ&A」を御参照ください。
5.当館では新たな情報が得られ次第、当館ホームページ等でお知らせします。
(参考ホームページ等)
○外務省領事局政策課(海外医療情報)
電話:(代表)03ー3580ー3311(内線)2850
○外務省海外安全相談センター
電話:(代表)03ー3580ー3311(内線)2902
○外務省海外安全ホームページ:http://www.anzen.mofa.go.jp/index.html
○鳥インフルエンザに関する情報(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou02/index.html
○海外渡航者のための感染症情報(厚生労働省検疫所)http://www.forth.go.jp
○高病原性鳥インフルエンザ(国立感染症研究所感染症情報センター)
http://idsc.nih.go.jp/disease/avian_influenza/index.html
○鳥インフルエンザに関する情報(農林水産省)
http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/tori/index.html
○Avian influenza(世界保健機関(WHO))
http://www.who.int/csr/disease/avian_influenza/en/
○国際獣疫事務局(OIE)
http://www.oie.int/eng/en_index.htm