1.江蘇省、浙江省、江西省、福建省の政府は、26日、鳥インフルエンザA(H7N9)の新たな感染例を計5例確認し、感染の疑いがあった患者1名の感染診断が確定したこと、治療中であった患者1名の死亡の詳細等を発表しました。感染例等に関するそれぞれの発表の内容は以下のとおりです。
(1)江蘇省発表
(ア)下記2名の感染を新たに確認した。
(a)男性、銭某、49歳、南京市溧水区在住。26日、鳥インフルエンザA(H7N9)の感染を確認。早期検査、早期治療対策の結果、現在、南京市某医院にて治療中、病状は軽い。
(b)男性、周某、36歳、徐州新沂市在住。26日、鳥インフルエンザA(H7N9)の感染を確認。現在、南京市某医院にて治療中、病状は比較的重い。
(イ)14日に感染診断が確定した單某(男性、26歳、塩城市亭湖区在住)は、治療の結果回復し、26日に退院した。(当館注:右男性の感染については、15日付の当館の「鳥インフルエンザ関連情報(第16報)」もご参照願います。)
(ウ)5日に感染の疑いと診断された張某(男性、60歳、無錫市浜湖区在住)は、26日、鳥インフルエンザA(H7N9)感染診断が確定した。現在、無錫某医院にて治療中、病状は重い。(当館注:右男性の感染については、6日付の当館の「鳥インフルエンザ関連情報(第8報)」もご参照願います。)
(エ)無錫市にて感染診断が確定していた張某(女性、32歳)は、治療の甲斐なく、24日に死亡した。(当館注:右女性の感染については、3日付の当館の「鳥インフルエンザ関連情報(第2報)」もご参照願います。また、同死亡については、「鳥インフルエンザ関連情報(第27報)」でご報告している江蘇省の死亡例と同一だと考えられるところ、下記3.の死亡者数には変化ありません。)
(2)浙江省発表
26日までに下記1名の感染を新たに確認した。鳥インフルエンザA(H7N9)の感染陽性を確認、その後診断が確定。現在、病状は重く、医院にて治療中。
男性、李某、38歳、湖州市在住、農民。17日発病、現在、杭州某医院にて治療中。
(3)江西省発表
(ア)女性、熊某、76歳、南昌県出身、農民。発熱、咳等の症状があり、南昌市某医院で受診し、入院。26日、江西省疾病予防コントロールセンターで鳥インフルエンザA(H7N9)の感染陽性を確認。その後診断が確定し、現在重体であり、医院にて治療中。患者が自宅で飼育していた鶏、アヒルが最近死んでいる。濃厚接触者は10人であり、現在までに異常は見られない。
(イ)現在までに、江西省における鳥インフルエンザA(H7N9)の感染者数は計2名で、2名の間の感染の関連性は確認されていない。
2.26日には、福建省でも新たに感染例1例(男性、羅某、65歳、龍岩市永定県高陂鎮在住)が確認されました。
3.これにより、中国本土における鳥インフルエンザA(H7N9)の感染者数は、上海市、安徽省、江蘇省、浙江省、北京市、河南省、山東省、江西省、福建省の2市7省の計119名(上海33名、安徽4名、江蘇27名、浙江45名、北京2名、河南4名、山東省1名、江西省2名、福建省1名)となり、そのうち、死者は23名(上海12名、安徽1名、江蘇4名、浙江6名)となりました。
※上記感染者数には、臨床症状がなかった北京市の男児の感染例1例が含まれています。
※中国国家衛生・計画生育委員会は、24日に感染状況を発表した際に、「関連の規定に従い、24日以降は感染状況の情報は各週ごとの発表とする」とし、26日の中国全体の感染状況については、同委員会の発表は確認されていません。したがって、上記の感染者等の数字は、各省の衛生部局がそれぞれ発表したことが確認されたものを集計して算出しています。
4.上海市は、同市の公式ミニブログ等において、26日には新たな感染例の報告はなかったことを明らかにするとともに、以下のことを発表しました。
(1)25日、農業部および国際獣疫事務局(OIE)が組織する鳥インフルエンザA(H7N9)予防コントロール連合調査チームが上海市で2日間にわたる調査を実施した。なお、本調査チームは、上海を離れた後、浙江および国家鳥インフルエンザ参考実験室等と関連する調査および交流を行う予定。
(2)25日、市と区の動物衛生監督機関は、養殖場94か所、冷凍倉庫売場14か所、その他関連する企業161社に対し検査を行ったが異常は見られず、指定道路の検査および非指定道路の巡回検査を行ったところ、生きた家禽の輸送車両はなかった。また、26日、市動物疾病予防コントロールセンターは合計560のサンプルを採集し、鳥インフルエンザのウイルス検査を行ったところ、すべて陰性だったことを発表した。
5.かかる状況を受けて、在留邦人の方におかれては、以下の諸点にご注意願います。また、労働節期間中の旅行に関しては、17日付の「鳥インフルエンザ関連情報(第19報)(労働節期間中の旅行についての注意喚起)」もご参照願います。
(1)発熱、咳などの呼吸器感染の症状が発症、特に高熱の発症や呼吸困難の症状が見られた場合は速やかに医師の診断を受けるようにお願い致します。医療機関受診の際の注意点等については、3日付で当館ホームページに掲載した「鳥インフルエンザ関連情報<国立感染症研究所の解析結果及び医療機関受診の際の注意など>」(http://www.shanghai.cn.emb-japan.go.jp/life/new130403-2.html)も御参照下さい。
(2)不用意に鳥・家畜に近寄ったり触れたりせず、手洗い、うがい等を励行し、衛生管理に十分注意してください。また、十分な栄養、睡眠をとり、平素からの体調管理に気をつけてください。
(3)外出する場合には、人混みはできるだけ避け、人混みではマスクをする等の対策を心がけてください。
(4)その他、感染地域滞在の注意事項については、「海外渡航者のための鳥及び新型インフルエンザに関するQ&A」を御参照ください。(http://www.anzen.mofa.go.jp/kaian_search/influ_qa.html)
6.当館では新たな情報が得られ次第、当館ホームページ等でお知らせします。
(参考ホームページ等)
○外務省領事サービスセンター
住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(代表)03ー3580ー3311(内線)2902
○外務省領事局政策課(海外医療情報)
電話:(代表)03ー3580ー3311(内線)2850
○外務省海外安全ホームページ:http://www.anzen.mofa.go.jp/index.html
○鳥インフルエンザに関する情報(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou02/index.html
○海外渡航者のための感染症情報(厚生労働省検疫所)http://www.forth.go.jp
○高病原性鳥インフルエンザ(国立感染症研究所感染症情報センター)
http://idsc.nih.go.jp/disease/avian_influenza/index.html
○鳥インフルエンザに関する情報(農林水産省)
http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/tori/index.html
○Avian influenza(世界保健機関(WHO))
http://www.who.int/csr/disease/avian_influenza/en/
○国際獣疫事務局(OIE)
http://www.oie.int/eng/en_index.htm