1.浙江省衛生庁の12日及び13日の発表によれば、同省で新たに4名が鳥インフルエンザA(H7N9)に感染したことが確認されました。同発表や関連報道による感染者の感染の状況はそれぞれ以下のとおりです。
(1)12日15時までに新たに以下の2例の感染を確認した。
(ア)義烏市の78歳の男性である宗某。11日に感染診断が確定し、現在重体、杭州の病院で治療中。
(イ)安徽省阜陽市出身、寧波市鄞州区在住の34歳の男性である孟某。孟某は、鄞州区の市場で水産品の販売に従事していた。1日の頭痛、発熱等の症状が始まり、病状の悪化により8日に寧波市の総合病院で受診、10日に入院した。12日に感染診断が確定し、現在重症、寧波の病院で治療中。
(2)13日に新たに以下の2例の感染を確認した。
(ア)四川省徳陽市出身、寧波市慈渓市在住の41歳の女性である温某。温某は市場で家禽類の販売に従事していた。8日に発症、13日に感染診断が確定し、現在重症、寧波の病院で治療中。
(イ)寧波市江東区在住の59歳の女性である趙某。趙某は飲食店で勤務しており、7日に発病した。家禽類との接触歴が確認されている。13日に感染診断が確定し、現在重症、寧波の病院で治療中。
2.広東省でも、11日に2名(当館注:このうちの広州の1名については当館の「鳥インフルエンザ関連情報(第56報)」で既報)、13日に2名の新たな感染が確認されています。
3.また、13日付の新華社報道によれば、貴州省で、鳥インフルエンザA(H7N9)感染を疑われる病例が1例確認されています。同省遵義市在住の38歳の男性が、浙江省温州の瑞安市で長期にわたってアルバイト中に咳、痰などの症状を発症、1ヶ月余りの対症療法の後に症状が悪化し、今月4日に地元の貴州省に戻って、診断、入院し、9日に死亡しました(当館注:右症例については、現時点では、「疑われる病例」とされているところ、下記4.の感染者数・死亡者数には含めていません)。
4. 現時点において、中国本土における鳥インフルエンザA(H7N9)の感染者数は、上海市、安徽省、江蘇省、浙江省、北京市、河南省、山東省、江西省、福建省、湖南省、河北省、広東省の2市10省の計171名(上海36名、安徽4名、江蘇31名、浙江60名、北京3名、河南4名、山東2名、江西6名、福建6名、湖南2名、河北1名、広東16名)となり、そのうち、死者は50名(上海16名、安徽2名、江蘇9名、浙江12名、江西1名、河南1名、湖南1名、河北1名、広東1名、福建1名、場所不明5名)となりました。
※上記感染者数には、臨床症状がなかった北京市の男児の感染例1例が含まれています。また、昨年12月末に台湾旅行中に感染診断が確定した江蘇省の86歳の男性の症例は、台湾到着前に感染していた可能性が高いため、上記感染者数に含めています。
※中国国家衛生・計画生育委員会は、昨年11月以降、鳥インフルエンザA(H7N9)を乙類伝染病に分類し、個別の感染ケースを各省の衛生当局が発表することはやめ、各月中旬に各省が前月の感染者数・死亡者数を発表するという発表方法に変更しています。したがって、上記の感染者・死亡者の数字には、報道等で確認されたものも含まれています。
5.かかる状況を受けて、在留邦人の方におかれては、以下の諸点にご注意願います。
(1)本年に入り、感染の発生の地域、頻度に拡大傾向が見られます。今後の感染動向に十分に注意する必要があります。
(2)発熱、咳などの呼吸器感染の症状が発症、特に高熱の発症や呼吸困難の症状が見られた場合は速やかに医師の診断を受けるようにお願い致します。医療機関受診の際の注意点等については、当館ホームページの「鳥インフルエンザ関連情報」ページに掲載しておりますのでご確認ください。http://www.shanghai.cn.emb-japan.go.jp/life/toriinfuru-j.html
(3)不用意に鳥・家畜に近寄ったり触れたりせず、手洗い、うがい等を励行し、衛生管理に十分注意してください。また、十分な栄養、睡眠をとり、平素からの体調管理に気をつけてください。
(4)外出する場合には、人混みはできるだけ避け、人混みではマスクをする等の対策を心がけてください。中国内で出張、旅行等をされる場合は、現地の医療事情や感染発生状況等を確認して計画を立てるようにしてください。
(5)その他、感染地域滞在の注意事項については、「海外渡航者のための鳥及び新型インフルエンザに関するQ&A」を御参照ください。(http://www.anzen.mofa.go.jp/kaian_search/influ_qa.html)
(6)また、昨年4月26日に行われた賀来満夫東北大学大学院医学系研究科教授による講演相談会の資料を当館ホームページに掲載しております。鳥インフルエンザA(H7N9)の特徴や予防の知識などの情報が多数含まれておりますので、是非ご活用ください。
6.当館では新たな情報が得られ次第、当館ホームページ等でお知らせします。
(参考ホームページ等)
○外務省領事サービスセンター
住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(代表)03ー3580ー3311(内線)2902
○外務省領事局政策課(海外医療情報)
電話:(代表)03ー3580ー3311(内線)2850
○外務省海外安全ホームページ:http://www.anzen.mofa.go.jp/index.html
○鳥インフルエンザに関する情報(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou02/index.html
○海外渡航者のための感染症情報(厚生労働省検疫所)http://www.forth.go.jp
○高病原性鳥インフルエンザ(国立感染症研究所感染症情報センター)
http://idsc.nih.go.jp/disease/avian_influenza/index.html
○鳥インフルエンザに関する情報(農林水産省)
http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/tori/index.html
○鳥インフルエンザA(H7N9)に関する世界保健機関(WHO)の情報
http://www.who.int/influenza/human_animal_interface/influenza_h7n9/en/index.html
http://www.oie.int/eng/en_index.htm