1.安徽省、上海市、江蘇省の政府は、7日から8日にかけて、「H7N9型」鳥インフルエンザウイルスの感染例計4例(死亡例1件を含む)を新たに確認したこと等を発表しました。感染例等に関するそれぞれの発表の内容は以下のとおりです。
(1)安徽省発表(7日)
男性、李某、55歳、亳州市譙城区在住、生きた家禽類を販売、屠殺する仕事に従事。3月28日、発病。4月1日、病状悪化、亳州市某医院で診察。7日、「H7N9型」鳥インフルエンザウイルスの感染を確認。容態は安定している。濃厚接触者は12人であり、現在までに異常は見られない。
(2)上海市発表(8日)
男性、賀某、64歳、上海人、退職者。4月1日、悪寒症状発症、体温は測っておらず自分で薬を服用。3日、体温39度のため、瑞金医院にて診察、肺炎と診断。対症療法を行った。7日、息切れの症状があらわれたため、再度瑞金医院にて診察、重症肺炎と診断。隔離治療を行ったが、7日夜死亡。同日、「H7N9型」鳥インフルエンザウイルスの感染を確認。濃厚接触者は4人であり、現在までに異常は見られない。
(3)江蘇省発表(8日)
(ア)男性、兪某、85歳、南京市元下関区在住、退職者。3月28日、発病。4月1日、南京市某医院で診察。8日、「H7N9型」鳥インフルエンザウイルスの感染を確認、現在重体。濃厚接触者は34人であり、現在までに異常は見られない。
(イ)女性、邱某、25歳、鎮江市潤州区在住、求職中。3月30日、発病。鎮江市某医院で診察。8日、「H7N9型」鳥インフルエンザウイルスの感染を確認、現在重体。濃厚接触者は18人であり、現在までに異常は見られない。
(ウ)蘇州市呉江区で感染疑い例とされていた1例につき、未感染を確認した。
2.これにより、「H7N9型」鳥インフルエンザウイルスの感染者数は、上海市、安徽省、江蘇省、浙江省の1市3省の計24名となり、そのうち、死者は7名となりました。
3.8日、中国国家衛生・計画生育委員会とWHOは、中国・北京にて合同の記者会見を行い、現時点において、H7N9型鳥インフルエンザウイルスのヒト・ヒト感染を示す証拠は見つかっていないこと、これまでの感染者の濃厚接触者621名について異常は見つかっていないこと等を説明しました。また、予防措置として、手洗い等の衛生習慣を保つことや家禽類との直接の接触をできるだけ避けること等に言及しています。
4.かかる状況を受けて、在留邦人の方におかれては、以下の諸点にご注意願います。
(1)発熱、咳などの呼吸器感染の症状が発症、特に高熱の発症や呼吸困難の症状が見られた場合は速やかに医師の診断を受けるようにお願い致します。医療機関受診の際の注意点等については、3日付で当館ホームページに掲載した「鳥インフルエンザ関連情報<国立感染症研究所の解析結果及び医療機関受診の際の注意など>」も御参照下さい。
(2)不用意に鳥・家畜に近寄ったり触れたりせず、手洗い、うがい等を励行し、衛生管理に十分注意してください。また、十分な栄養、睡眠をとり、平素からの体調管理に気をつけてください。
(3)外出する場合には、人混みはできるだけ避け、人混みではマスクをする等の対策を心がけてください。
(4)その他、感染地域滞在の注意事項については、「海外渡航者のための鳥及び新型インフルエンザに関するQ&A」を御参照ください。
5.当館では新たな情報が得られ次第、当館ホームページ等でお知らせします。
(参考ホームページ等)
○外務省領事局政策課(海外医療情報)
電話:(代表)03ー3580ー3311(内線)2850
○外務省海外安全相談センター
電話:(代表)03ー3580ー3311(内線)2902
○外務省海外安全ホームページ:http://www.anzen.mofa.go.jp/index.html
○鳥インフルエンザに関する情報(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou02/index.html
○海外渡航者のための感染症情報(厚生労働省検疫所)http://www.forth.go.jp
○高病原性鳥インフルエンザ(国立感染症研究所感染症情報センター)
http://idsc.nih.go.jp/disease/avian_influenza/index.html
○鳥インフルエンザに関する情報(農林水産省)
http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/tori/index.html
○Avian influenza(世界保健機関(WHO))
http://www.who.int/csr/disease/avian_influenza/en/
○国際獣疫事務局(OIE)
http://www.oie.int/eng/en_index.htm