A.各社のSARS対応
当地の駐在員の出張については、ほとんど全ての企業が何らかの形で出張自粛を行っており、家族の一時帰国については、約6割の企業で自主的又は会社方針として認めている。また、マスクの着用指示は約7割の企業で、会社内消毒の実施は約8割の企業で行っている。詳細は、以下のとおり。
1. 出張自粛企業の割合
・ 上海―日本:70%
・ 上海―中国国内感染地域:95%
・ 上海―中国国内非感染地域:71%
・ 上海―第3国:60%
2. 会議等の中止・延期企業の割合:77%
3. 家族帰国:63%
(自主的:32%、会社方針:31%)
4. 従業員のシフト制:13%
5. マスク着用の指示:68%
6. 会社内消毒の実施:81%
7. その他の対応策
・ 通勤の公共交通機関利用中止
・ 手洗いとうがいの励行
・ 遠足・集会の中止
・ 家庭で毎日体温測定
・ 客人との外食禁止
・ 本社よりアルコールタオル送付
・ 食堂従業員の体温測定
・ 来客受入場所の限定
・ 通勤にバス・地下鉄を利用せず、タクシー利用を義務付け
・ 部外者立ち入り規制
・ 漢方予防薬の服用
・ 残業自粛
・ ビタミン剤配布
・ 専用車での社員送迎
・ 本社から送付されたうがい薬と消毒薬を全従業員に配布
・ 会社入口にて毎朝体温測定
・ 上海市専家医学研究中心から講師を呼んで、予防講演会の実施
・ 外来者との面会は双方ともマスク着用
B.ビジネスに対する影響(主なもの)
・ 4月の訪中団の受入が全てキャンセル(自治体事務所)
・ 今のところ軽微、5月以降の影響が懸念(運輸・通信)
・ 次のシーズンに向けた打ち合わせができないため、数ヶ月後のビジネスに大きな不安(資源・化学)
・ 日系ユーザーとの打ち合わせはメイル、FAXに限定
・ 新入居予定者の日本出国遅延(サービス)
・ 北京、広東等へ商談に行けない(商社・流通)
・ 売り上げ前年比6~7割(商社・流通)
・ 北京での自転車特需への緊急対応(金属・機械)
・ 取引先の中国進出プロジェクトの遅延(金融・保険)
・ 生徒の一時帰国による収入減(社会事業)
・ 全園児の4分の1が帰国(社会事業)
・ 現在影響はないが、秋以降影響が出てくる(電機・電子)
・ 長期化するとかなり影響(金属・機械)
・ 出張自粛により、中国での調達・販売が停滞(金属・機械)
・ 新製品立ち上げの遅れ(資源・化学、電機・電子)
・ 新規会社設立のクライアントのキャンセル(サービス)
・ 短期的には大きな影響なし(資源・化学)
・ 華南地区からの部材の遅延(電機・電子)
・ 業務用食品の販売量減(貿易)
・ 営業活動が5割程度停止(電機・電子)
・ 広州・北京での販売減(電機・電子)
・ 国内向けOEM衣料の受注キャンセル(繊維・パルプ)
・ 観光、飲食、商業に多大な影響(農水食品)
・ 客先サービス、クレーム対応が困難で売上減(電機・電子、商社・流通)
・ 現時点で具体的な影響は出ていないが、今後物流面、代金回収面で影響が出る見込み(資源・化学)
・ 消毒剤、マスク等のSARS対策費用の発生(サービス)
・ 展示会の延期・中止によりビジネスチャンスの減少(金属・機械)
・ ホテル業なので影響が多大。宿泊、宴会の取消の影響が大(サービス)
・ 証券市場への影響(会計事務所)
・ 日本からの出張者が来られないため、機械設備の据付や技術指導ができない(商社・流通)
・ 航空便数減少により、原材料の入手・製品の発送に遅れ(電機・電子)