5月に入り、当館管轄地域においても感染地域からの移入型の感染患者数が増加しています。当館では、7日午前までの各市省の患者数、感染ルート等報道を中心にとりまとめました。
1.上海市
(1)感染患者6、疑似例12
(2)(イ)感染患者6名のうち、1名は広東及び香港への渡航後発症した30代の女性で、2例目はその女性の父親。
(ロ)3、4例目は、北京から華東地域に旅行に訪れた63歳の男性と56歳の女性の夫妻で、労働節期間中に発病し5月3日に感染患者であることが確認された。2人は4月15日に列車で北京から上海に到着し、16日に列車で上海南駅から杭州に向かい、22日に嘉興から蘇州にバスで移動、24日に無錫から列車で上海に戻った。市当局は既に直接接触のあった42名と間接的に接触のあった63名に医学観察措置を採った。
(ハ)5、6例目は、北方の感染地域から子供2人と共に華東を訪れた夫妻で、4月25日に車で江蘇省から上海に入り、高速道の入り口での体温測定では正常であったが、その日の午後に夫が発症し28日に診察を受けて疑似例として入院した。その後家族3人を隔離観察していたところ、5月1日に夫人が発症し2日に疑似例と診断され、夫妻共に4日に感染患者と診断された。患者と直接接触のあった50人と、間接的に接触のあった118人が医学観察措置を受けている。
(3)上海市では新たに4例の感染患者が発生したことを受け、5日、新型肺炎予防治療指揮部の工作会議が招集され、韓正市長は以下の点を強調した。
(イ)4例の増加は上海の新型肺炎予防対策に改めて警鐘を鳴らすもので、状況は依然として厳しく、長期戦を覚悟しなければならない。
(ロ)「8規定」を厳格に実施して、感染源を断固として絶たなければならない。各対策を社区、基層単位の末端に至るまで徹底的に実施に移し、特に外地から上海に流入する人の管理を重視する必要がある。
(ハ)党中央、国務院の要求に応え、上海としても人的、物的、財政的な面で、北京を始め全国の新型肺炎対策の支援に全力で取り組む。
2.江蘇省
(1)感染患者4、疑似例17
(2)感染患者は、南京市、淮安市、南通市、塩城市に各1名。南京市1例は、江寧区の35歳の男性で、天津で患者と接触歴があったが4月18日に上海行きの列車に乗り19日に南京で下車、その後発症し5月1日に感染が確認された。淮安市の1例は、北京で出稼ぎをしていた24歳の女性で、25日に帰郷後27日に発症、28日に疑似例と診断され5月1日に感染患者と診断された。南通市の1例は北京に長期滞在していた35歳の女性で、4月25日に自家用車で南通に戻りその後すぐに発症、28日に疑似例と診断され30日に感染患者と確認された。塩城市の1例は、4月上旬に北京を訪れた30歳の男性で、4月15日に北京から長距離バスで帰郷し21日に発症、22日に疑似例と診断され5月1日に感染患者と確認された。
(3)疑似例は計17名。内訳は、南京市8名、泰興2名、徐州市2名、蘇州市、連雲港市、鎮江市、宿セン市、塩城市1名。
南京市のうち1名は38歳の男性で、4月上旬に北京に出張歴があり南京に戻った後28日に発熱、30日に疑似例と診断された。1名は30歳の女性のタクシー運転手で、25日に発症し5月2日に疑似例と診断されたが、4月23日頃北京からの観光客を乗せた際に感染したものと見られる。残り4人は5月3日に疑似例と確認された男性3人と女子中学生1人で、感染患者と密接な接触があった。蘇州市の1例は北京からの旅行客で、徐州市の1例は、北京の幼稚園教師で22日に実家に戻ったところ25日に発熱、26日に疑似例と診断された。鎮江の1例は、4月18日に北京での出稼ぎから戻った17歳の男性で、5月4日に疑似例と診断された。連雲港市の1例は、外地で出稼ぎ経験のある17歳の少年で4月27日に発病し5月3日に地元の灌雲県の診療所で診察を受け、当日中に疑似例と診断されたもの。
また、6日になって新たに以下7例の疑似例が確認された。4月25日に北京から戻った泰興市の母子(29歳の母親と5歳の子供)、4月18日に北京から戻った塩城市阜寧県の29歳の男性、28日に両親につれられて北京から戻った11ヶ月の男の乳児、南京市江寧区の27歳の女性(感染地域への渡航歴があるかは未確認)、5月5日に北京から戻った直後に発症した宿セン市の46歳の男性及び武漢市に住む列車乗務員の55歳の男性。
3.浙江省
(1)感染患者は、4月20日までに確認された杭州市の3人。いずれも兄弟で、4月11日に家族で武漢へ墓参に行ったが、その時に接触した北京から来た別の兄弟が発症していたため、その際に感染したものと見られている。
(2)疑似例は計5例、杭州市2例、海寧市、余姚市、奉化市の各1名。杭州市の1名は、29歳の男性で4月14日に深センに出張し翌日帰郷、20日に発症し、23日に疑似例と診断された。もう1名は、5月5日に疑似例と診断されたもので、4月11日から18日まで広州に出張歴があり、経過観察していたところ5月2日症状が現れた。余姚市の1例は、広州交易会へ出張し20日に広州で発症、扁桃炎と診断されたので帰郷したが、21日に疑似例と確認されたもの。
4.安徽省
(1)感染患者は計9例で全て移入型。阜陽市が6名、合肥市、蚌埠市、懐寧県が各1名。阜陽市の6名のうち、3名は北京、1名は広東、1名は山西へ出稼ぎに出て帰郷後発症したもの、残り1名は広州市の運送会社の職員で26日に北京行きの列車の中で症状が悪化、阜陽市で下車、隔離された。蚌埠の1名は4月上旬北京へ出稼ぎに出で20日頃に発症、北京同仁医院等で診察は受けたものの28日に上海行きの列車で帰郷、29日に隔離され5月1日に診断された。合肥市の1例は、4月20日に北京に出張、翌日に飛行機で帰郷後、27日に発症し29日に感染が確認された。
(2)疑似例は13例、蚌埠市2例、阜陽市4例、ジョ州市3例、巣湖2例、合肥市1例、利辛県1例。うち8例が移入型と確認された。
(3)安徽省は大量の出稼ぎ労働者を送り出しており、省の対策総指揮部は労働節及び農繁期を前に4月26日に彼らに対する「公開信」を出し、所在地の新型肺炎政策に協力すること、盲目的に帰郷しないこと等を呼びかけた。しかし、少なくとも感染患者7例と疑似例5例が帰郷した出稼ぎ労働者で、交通の要衝となっている阜陽、ジョ州等の駅のチェックポイントで異状が発見される例もあり、省では農村への感染拡大防止に全力で取り組んでいる。5月5日、2回目の「公開信」を出し、帰郷した労働者に対して、健康申告や場合によっては医学観察措置など地元政府の採る政策に協力するよう改めて呼びかけている。