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楽器が奏でる音色は、ライブでないとどうしてもその魅力や迫力がなかなか伝わらないものです。だから、いったん生で聞くとその虜になってしまうことがあります。生演奏の素晴らしさだけでなく、会場のドキドキ感、一体感などもライブならではの魅力です。
1月8日、当館では国際交流基金と共に、日本の伝統楽器を使った新・純邦楽ユニット「WASABI」の上海公演を実施しました。
WASABIは世界的に有名な津軽三味線奏者、吉田兄弟の兄・吉田良一郎を中心とし、若手邦楽奏者4名から成るユニットです。三味線、尺八、箏、太鼓の和楽器で“和の格好良さ”を追求する取り組みに挑戦しているバンドです。結成当初から日本の学校を中心に邦楽の魅力を伝え続けてきましたが、昨今、東南アジア、欧州など海外での公演を行うなど、活動の場をどんどん広げてきています。そして今回、文化庁東アジア文化交流使の派遣として、満を持して中国公演を迎えることとなり、北京、上海での夢のステージが実現しました。
さて、いよいよ8日の公演当日、夜7時、会場である浅水湾の入口には待ちきれない多くのお客様が開場を今か今かと待ち受けます。
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開場と同時にお客様は期待を胸にふくらませ入場します。今日のステージ会場は、普段「中国好声音」の収録などにも使われているライブハウスです。ライブハウスと和楽器のコラボがどのような化学反応を示すのか、楽しみです。
夜8時、とうとうライブの開始です!一曲目「東雲」は青いライトの演出。幻想的なオープニングでした。
そしてMCとして、尺八奏者の元永拓さんからご挨拶、「大家好!」何と上海語でした!これには会場のお客様もびっくり!元永さん、最初の挨拶は上海語で、と楽屋で一生懸命練習していたとか。その後、流ちょうな中国語でWASABIの紹介、曲の紹介などをしていました。
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続いてWASABIのオリジナル曲から沖縄民謡を元に作られた「アガイティーラ」(朝陽)に続き、各楽器ソロに入ります。
ここで改めてメンバー紹介をさせていただきます。
尺八、元永拓さん
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箏・十七絃、市川慎さん
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太鼓・鳴り物、美鵬直三朗さん
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津軽三味線、吉田健一さん
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ソロに続いて、上海公演特別ゲストの登場です。二胡演奏者の趙磊さんです。趙さんは、上海音楽学院卒業の後、中国国内のみならず日本や海外でも活躍されている若手アーティストです。そんな彼を迎え、夢のコラボでの演奏は、中国ならではの「茉莉花」。やさしいメロディーにゆったり心が癒やされます。そして、ご存じ二胡の名曲「賽馬」。和楽器と二胡の相性ピッタリの楽曲で、馬の疾走が目に浮かぶようでした。
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その後、オリジナル曲「Aoi-葵-」「しぐれ」「イエロージーナ」と続き、とうとう最後の曲に。。。。。
最後は「ミライカナタ」。日中友好の明るい未来を思い描きながらこの曲を聴いていました。メンバーも「我愛上海!」を連呼し、今回のライブの成功を大きな声で表現していました。上海、ありがとう!!
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もちろん、観客のみなさんはこれでは満足できません。拍手が鳴り止みません。「アンコール、アンコール」のかけ声に、再びWASABI登場!待ってました!
最後はスターリーな照明の下、「イエロージーナ」を赵磊さんと共に演奏。クライマックスを飾るにふさわしいダイナミックな楽曲でした。皆さん、ありがとうございました!
まるで夢のようなあっという間の2時間。またこの感動を味わいたい!と思った方が名残惜しそうに何度も会場を振り向いていたのが印象的でした。
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今回の演奏では、和楽器の魅力、三味線のダイナミックさ、太鼓の軽やかなサウンド、尺八の突き抜ける響き、琴の繊細な音色などを会場の皆さんにお届けすることができたのではないでしょうか。
なお、公演に先立ち、7日には、上海音楽学院にて、ワークショップも開催されました。WASABIの皆さんが、100名あまりの若い学生たちと和楽器を通して交流、とても充実した時間となりました。学生たちも、迫力満点の演奏や和楽器の解説に熱心に聞き入ってました。集まった学生の中で、将来、音楽を通じて日本の人々と交流してみたいと希望する学生が少しでもいてくれたら、とても嬉しく思います。
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当館は、これからも魅力溢れる日本の音楽や文化、エンターテイメントに触れられる機会をたくさん提供していきます。どうぞお楽しみに!
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