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10月28日、当館は、着物デザイナーの冨田伸明先生による日本の和服文化に関するレクチャーと着物着付けデモンストレーションを、蘇州大学芸術学院において実施しました。冨田先生は、「文化に国境はない」との理念のもと、古くから日本と文化面で深いつながりのある、ここ中国での文化交流に大変熱心でいらっしゃいます。
今回のイベントでは、ファッションデザイン等を専攻する芸術学院の学生の皆さんにお集まりいただき、和服の歴史や模様等、和服文化に関する説明を行いつつ、恒例となっている豪華な着物の着付けをご覧いただきました。冨田先生の着物はすべて、日本の職人技の粋を集めた超一級品。この日も、「金彩友禅」、「手描き京友禅」等、日本の伝統工芸品の美しさを堪能いただくとともに、蘇州刺繍をほどこした着物等、中国の伝統技術と着物のコラボレーションという新しい取り組みについても紹介しました。
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「着物着たい人~?」の呼びかけに会場は大興奮! |
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パターンを用いて着物の制作方法を説明 |
美しい蘇州刺繍の着物も |
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さすが芸術学院の学生さん、最後まで熱心に質問 |
イベント終了後も、会場には多くの学生の皆さんが残り、「着物に使ってはいけない色はあるのか」、「蘇州の綴れ織りは今でも日本で使われているのか」等、多様な質問があり、日本の着物に対する関心の高さが窺えました。
冨田先生はかねてより、中国の学生の皆さんと一緒に着物をデザインしたいという夢を抱いていらっしゃいます。ここ数年、このような着付けイベントを重ねてきて、中国でも徐々に冨田先生のファンが増えてきました。先生の夢が実現する日もそう遠くないかもしれませんね。
日本と中国には長い文化交流の歴史があります。例えば、着物に使われている鶴や松の文様は両国で縁起がよいとされていますし、生地の織り方の多くは中国から伝わり、その後日本各地で独自の技法に発展したものです。今回のイベントを通じて両国の絆を感じていただければ嬉しく思います。