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みなさんは「邦楽」といえば何を思い浮かべますか?箏・尺八などの楽器を思い浮かべる方もいるかもしれませんが、海外ではJ-POPは耳にすることはあっても、日本の伝統音楽に触れる機会は少ないので、邦楽について知らない人がほとんどだと思います。
邦楽の魅力を中国の方々に知っていただこうと、8月1日に当館広報文化センターは、NPO法人全国邦楽合奏協会から琴・尺八・三弦・琵琶の演奏家7名をお招きして、「和楽器豪華絢爛:美しい和の調べ演奏・体験会」を開催しました。日本を代表する曲「さくら」「春の海」を始め、「祇園精舎」「千鳥の曲」などの名曲を、楽器の紹介を交えながら披露し、会場は美しい日本の調べに酔いしれました。更に、体験コーナーでは希望者が実際に楽器に触れて演奏できる貴重な機会も。参加者の皆さんにとっては、邦楽の魅力を丸ごと堪能できるひとときとなったようです。
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現代箏曲「讃歌」 |
箏・三弦・尺八「夕顔」 |
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尺八「雲井獅子」 |
琵琶・尺八「祇園精舎」 |
演奏家による素晴らしい演奏を楽しんだ後は、実際に楽器に触れて和楽器を体験していただきました。参加者の方々は初めて見る和楽器に興味津々。特にお琴は難しそうに見えて、音を出すだけなら実は初心者でもすぐに「さくら」が弾けてしまいます。しばらくすると会場でも「さくら」が聞こえ始めました。
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箏曲「さくら」に挑戦 |
音を出すのが難しい尺八 |
体験の後はいよいよクライマックス。中国でも大人気のスタジオジブリ制作アニメ映画「となりのトトロ」から、「さんぽ」など有名な3曲を全員で演奏。会場は大いに盛り上がりました。その後のアンコールで、尺八による「アメージンググレース」、さらには全員で中国伝統民謡の「茉莉花(ジャスミンの花)」が演奏されました。
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7名の演奏者勢揃いで迫力いっぱいの演奏 |
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満員の会場からは大きな拍手が |
伝統音楽にはその国の歴史・文化が反映されています。日本の伝統音楽は、箏・尺八・三弦・琵琶という楽器を見ればわかるように、中国から大きな影響を受けて発展してきました。中国から伝わった音楽が、日本の風土・文化に合わせて独自に展開した結果、日本らしさを兼ね備えた「邦楽」となったのです。
現在でも、今回のように和楽器で中国伝統曲を弾いたりと、世界中で国を超えた交流が盛んに行われています。このような交流を通じて各国の音楽が絶えず発展を続けていくことを期待したいですね。
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写真撮影:梶田 誠