５月３１日、中国衛生部はホームページ上で、上海市及び浙江省において新たに新型インフルエンザ感染例が確認された旨発表しました。
（１）上海市における５例目の感染確認
感染が確認されたのは、アメリカの大学で留学中だった２３歳の中国籍女性で、５月２８日にＣＸ０８３１便でアメリカのロングアイランドから香港に到着し、同日２３時にＫＡ８７０便で上海に到着しました。
３０日夕方、この患者は発熱があったため上海第一人民医院に行ったところ、体温が３８．２度あり、報告を受けた松江区疾病コントロールセンターが、患者の鼻の粘膜を採取して検査を行ったところ、新型インフルエンザ（Ｈ１Ｎ１型）の可能性を排除できないという結果となりました。
３１日、上海市衛生局は、新型インフルエンザ確定病例と診断しました。現在、この患者の病状は安定しています。
この患者は、搭乗中はマスクをしており、入国の検疫時には異常はなく、空港からは家族が出迎えて自家用車で帰宅したとのことです。現在、密接な接触のあった家族及び友人の８名が集中医学観察を受けていますが、８名の健康状況は良好であり、インフルエンザの症状は現れていないとのことです。
（２）浙江省における２例目の感染確認
感染が確認されたのは、３９歳の杭州市民の女性で、５月１７日に旅行のためオーストラリアに向けて出発し、１８日に現地に到着後、メルボルンの親戚の家に滞在していました。その後、３０日１５時０５分にＣＸ１３４便でメルボルンから香港に到着し、同日２２時１５分にＫＡ６２２便で杭州に到着しました。香港での乗り継ぎにあたっては、入国手続きを行っておらず、待合室からも離れていないとのことです。
この患者は、杭州蕭山空港に到着後、検疫局の検査で発熱の症状があることが判明し、検温したところ３７．９度であったため、蕭山人民医院に移送され、サンプル検査及び隔離治療が行われました。
３１日早朝、杭州疾病予防コントロールセンターの検査の結果、新型インフルエンザ（Ｈ１Ｎ１型）の疑い例と診断され、同日夕方、新型インフルエンザ確定病例と診断されました。
専門家グループによると、現在、同患者は指定病院である杭州市第六人民医院に移送されて隔離治療が行われているとのことです。現在、患者の体温は３７．９度、軽度な喉の痛み及び咳などのインフルエンザの症状があるものの、精神状態は良好とのことです。この患者と同機に搭乗していた３０名の濃厚接触者及び４名の客室乗務員は、現在隔離されて医学観察となっています。
２．中国での感染状況
５月３１日現在、中国（香港を除く）の感染確定者は計３３名となりました。内訳は、四川省１名、山東省１名、浙江省２名、湖南省１名 、福建省４名、上海市５名、北京市８名、広東省１１名です。
新型インフルエンザに関連して、中国政府は厳格な水際対策を実施していますが、在留邦人の皆様方におかれては引き続き中国国内の状況に関する関連の情報に注意しつつ、冷静に対応し、手洗い、うがいの励行、及び人混みに入る場合のマスクの着用等の感染防止対策の一層の徹底をお勧めします。
（問い合わせ先）
○外務省新型インフルエンザ相談窓口（海外への渡航関連）
電話：（代表）０３－５５０１－８０００
（内線）４１０１、４１０２
○外務省海外安全ホームページ：http://www.anzen.mofa.go.jp/
（携帯版）：http://www.anzen.mofa.go.jp/i/
（関連ホームページ）
○厚生労働省ホームページ（新型インフルエンザ対策関連情報）
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/index.html
国立感染症研究所感染症情報センターホームページ
（新型インフルエンザ（ブタ由来インフルエンザＨ１Ｎ１）
http://idsc.nih.go.jp/disease/swine_influenza/index.html
○世界保健機関（ＷＨＯ）ホームページ（新型インフルエンザ関連）
http://www.who.int/csr/disease/swineflu/en/(英語)
○ＣＤＣ（米国疾病予防対策センター）
http://www.cdc.gov/h1n1flu/(英語)
○農林水産省ホームページ（新型インフルエンザ関連情報）
http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/anpo/buta.html