1.浙江省安吉県・安徽省潁上県でのヒト感染例の発生
2.安徽省潁上県での発生
1.中国衛生部は2月25日夜、浙江省及び安徽省で高病原性鳥インフルエンザの人感染確定例がそれぞれ1例ずつ発生した旨を発表しました。その概要は次の通りです。
(1)患者1、有氏。女性、9歳。浙江省安吉県人。
2月10日、発熱、肺炎で発症した。発病前に、家禽が病死した親戚宅(安徽省広得県)への訪問歴があった。この症例については、感染源について詳しい調査を実施中である。 浙江省疾病予防控制中心(浙江省CDC)が患者の標本で検査を行い、また中国疾病予防控制中心(中国CDC)も同様に再検査を実施して、H5N1サブタイプの鳥インフルエンザ・ウィルスRNAの陽性を確認した。 患者の病状は重く、現在は救急治療を受けている。
(2)患者2、王氏。女性、26歳、農婦。安徽省潁上県人。
2月11日、発熱、肺炎で発症した。発病前に、病死した家禽との接触歴があった。農業部門の調査により、病死した鶏からH5N1サブタイプの鳥インフルエンザ・ウィルスを分離した。安徽省疾病予防控制中心(安徽省CDC)が患者の標本で検査を行い、また中国疾病予防控制中心(中国CDC)も同様に再検査を実施して、H5N1サブタイプの鳥インフルエンザ・ウィルスRNAの陽性を確認した。 患者の病状は重く、現在救急治療を受けている。
(3)国家衛生部専門家チームは、WHOの人感染高病原性鳥インフルエンザ確定診断定義と中国の確定診断基準に基づき、患者の臨床症状、疫学調査、実験室検査結果を根拠に、2名の患者を高病原性鳥インフルエンザ感染と確定診断した。
患者が発生後、浙江省、安徽省衛生部門とCDC防疫チームは患者との密接接触者に対して厳密な医学観察を行ったが、今までに臨床異常症状を呈する者は発見されていない。 2名の患者の発病状況について、衛生部は既にWHO、香港、マカオ、台湾地域及び一部分の国に通報した。
2.中国農業部は2月25日、安徽省潁上県で、病死した鶏から高病原性鳥インフルエンザウィルスを検出したと発表しました。その概要は次の通りです。
(1)22日、中国農業部鳥インフルエンザ防疫監視チームと専門家チームは、安徽省潁上県集台村で13羽の病死した鶏を発見した。検査標本を採取後、国家鳥インフルエンザ研究室に送り検査を行ったところ、25日、4羽の鶏からH5N1サブタイプの鳥インフルエンザ・ウィルスが分離された。
(2)地元動物防疫管理部門は農業部の指示を受け、全力で疫発生後の消毒などの処置を行っている。集台村周辺の家禽200羽が処分され、鳥インフルエンザは既にコントロールされている。また、再発防止のため、防疫の対策を実施している。
3.今回、初めて浙江省で鳥インフルエンザのヒト感染例が発生しました。しかしこのケースも発病前に病死した家禽との接触歴があり、恐れられている新型ウィルスによるヒトからヒトへの感染とは違い、鳥から直接感染したと考えられます。
今の状態はWHOの制定する(パンデミック)フェーズ3にあり、ヒトが感染するのは、ほとんどの場合は鳥インフルエンザに感染した鳥からの直接感染のみです。
4.現段階での鳥インフルエンザに対する予防として、以下の諸点に注意してください。
●鳥インフルエンザが発生した地域に立ち入らない
●死んでいる野鳥などには近寄らない
●生きた鳥を扱う市場や農家などには近づかない
●鶏肉は適切に加熱調理する (自分では捌かない)
●鶏卵は良く洗い、適切に加熱調理する
また、以前から言われている対策として、以下のことも有効です。
●うがい・手洗いを励行する
●人混みを避ける
●不摂生をしない(抵抗力を弱めない)
●保湿に注意する(加湿器やマスクなど。ウィルスは乾燥に強い) なども有効です。
5.当HPにある「鳥インフルエンザ関連情報リンク」もご参照下さい。