1.中国農業部によりますと、10月24日、安徽省東部天長市で鳥インフルエンザの鳥感染が確認されたとのことです。感染拡大を防ぐために周辺の鳥数万羽が処分されるなど、緊急対策がとられました。同事例において、人への感染に関する情報はありません。
25日の外交部スポークスマンの発言によれば、すでに状況は沈静化し、新たな感染例は確認されていないとのことです。
2.25日には湖南省でも鳥インフルエンザが発生したとのことです。同事例では当初、人の感染死亡例があったとの未確認情報もありましたが、中国衛生部は人への感染自体を否定しました。
3.現時点では、鳥インフルエンザの上海近郊での発生は確認されていません。
4.鳥インフルエンザは、本来は鳥が罹かる病気です。しかし、極稀に人が感染することがあります。この場合の感染経路は、鳥と密接に接触している人が感染鳥から直接感染することがほとんどで、日常、鳥と密接に接触することのない人は感染する心配がありません。また、きちんと調理されたトリ肉やよく洗った卵から感染することもありません。
日常生活では、うがいや手洗いを励行し、市場などで生きた鳥の側に近寄らないことが大事です。また、トリ肉はよく火を通し、卵もよく洗って加熱調理してください。
5.現在最も恐れられているのは、人から人へ容易に感染する力をウィルスが突然変異で持った場合です。
人のA型インフルエンザ・ウィルスと鳥インフルエンザ・ウィルスは、よく似た構造になっています。人A型インフルエンザと鳥インフルエンザに同時に掛かりウィルスが突然変異を起こしたら、極めて感染力の強いウィルスに変わる可能性があります。
人インフルエンザに罹らないようにするために、(人)インフルエンザワクチンの接種が強く勧められています。(人)インフルエンザワクチンの効果は60~80%程度と言われていますが、ワクチン接種を受けていると、実際に掛かっても症状が軽く済む場合が多いようです。
6.空港や駅、港などでは発熱者のチェックを行っています。高熱者などは鳥インフルエンザやSARSの感染を疑われ、検査によってそれらに感染していないと診断されるまで 隔離されるなどの可能性もあります。このような混乱を避けるためにも、(人)インフルエンザワクチンの接種が勧められるわけです。