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鳥インフルエンザについて

 

 平成15年の12月よりアジア各地で鳥インフルエンザが発生し、中国でも12日現在、疑い例を含めると上海市を含め14の省・自治区・特別市の計46カ所で報告されていますが、ベトナムやタイのようにヒトへの感染は報告されていません。鳥インフルエンザについてわかっていることを説明いたします。
(1)鳥インフルエンザって何ですか?
  A型インフルエンザの一種ですが、ヒトのインフルエンザウィルスと異なったウィルスです。ヒトのインフルエンザはA型3種類、Aソ連(H1N1)、Aアジア(H2N2),A香港(H3N2)が知られています。一方鳥類のインフルエンザはこれまでに香港(H5N1)、米国(H5N2)、オランダ(H7N7)などで発生しています。H・Nはウィルスの感染などに重要な働きをするウィルス表面から突出した蛋白の種類のことで、現在H15種類、N9種類が報告されおり、その組み合わせは15×9通りあることになります。鳥インフルエンザはヒトには感染しにくく、去年までで数十人の感染が見られたのみです。それも病鳥と近距離で接触した場合や内臓、排泄物に接触した場合がほとんどでした。なぜヒトに感染しにくいかというと鍵と鍵穴の関係のようなもので、鳥インフルエンザの鍵はヒトの細胞の鍵穴には合わないからです。しかし、大量のウィルスを接種すること、すなわちたくさんの鍵を試しているうちに窮屈ながら鍵穴に入ってしまい偶然、鍵が開いてしまうようなこともあるようです。

(2)ヒトへの感染について
  ベトナムやタイではヒトに感染しました。ベトナムではヒトからヒトに感染した可能性もあります。しかしその時点では鍵は変わっていないので大量のウィルスを接種しなければ感染を起こしません。ベトナムでのヒトからヒトへの感染疑いでも鍵を換えるような遺伝子の変異は起こっていませんでした。ただし人やブタが、ヒトインフルエンザウィルスと鳥インフルエンザウィルスに同時に感染すると、ウィルス遺伝子の再集合がおこり、ヒトに感染しやすい新型インフルエンザが発生する可能性があります。このため、鳥インフルエンザが発生している最前線で必死の防疫が行われているのです。

(3)ワクチンについて
  今年接種されたヒトのインフルエンザワクチンは、Aソ連(H1N1)、A香港(H3N2)、B型に対して効果があるもので、鳥インフルエンザ(H5N1)に対しては効果がありません。しかし鳥インフルエンザ防疫の前線で働く人は上記(2)で説明したような混合感染を避ける意味からも接種の意味があります。現在、禽に接種しているのはH5N2型ですが、ヒトには使用できません。

(4)上海で注意すべきこと
  まず、生きた鳥がいる所には近づかない方が無難です。上海市ではすでに2月1日の予防処置で生きた鳥の売り買いが禁止されており、市場では見かけないはずです。また鶏やアヒルなどは鳥インフルエンザに罹患すると死亡したり、重篤になりますが、鳥の中には症状がでない鳥もいますので、野生の鳥にも近づかない方がいいでしょう。
  今までに鳥の肉や鳥の卵を食べることによってヒトが感染したことはありませんが、大量のウィルスが感染した鳥の糞に排泄されていることが知られていますので、卵の殻の汚れは落とすようにして、肉や卵は加熱してから食べること、調理後にはよく手を洗うことをお薦めします。


(5)発熱や咳などの症状があったら
  現在、ヒトインフルエンザには、抗インフルエンザウィルス剤があります。経口薬の商品名はタミフルといいます。一般名はリン酸オセルタミビルです。この薬は鳥インフルエンザにも効果があるといわれています。ただし、発症後48時間以内に服用しないと効果が少ないといわれていますので、発熱や咳などの症状があったらすぐに医療機関で受診して、インフルエンザかどうか確かめてもらってください。鳥インフルエンザかどうか直ぐには診断はできませんが、15分余りでインフルエンザかどうかを診断され治療が開始されます。熱冷ましの坐薬は、インフルエンザに伴う発熱の際には使用すべきでないものもあり、以前からあった坐薬で熱を冷まして様子を見ることはせず、医療機関で受診して熱冷ましを処方してもらってください。


(6)予防内服
  確かに鳥インフルエンザを含めたインフルエンザの予防にタミフルは効果があると言われています。しかし副作用がでることがあること、耐性のウィルスを生じさせる可能性があることなどから鳥インフルエンザ防疫の前線で働く人以外は予防用として使用しない方がいいようです。しかし、それぞれの場合により医師が適応を判断しますので、医療機関で医師に相談してください。

(7)鳥インフルエンザに関する詳しい情報は、下記のホームページ等を参照して下さい。

外務省海外安全ホームページ スポット情報
厚生労働省 ○厚生労働省検疫所
農林水産省
国立感染症研究所感染症情報センター
WHO ○WHO西太平洋地域事務局

なお、医療関係、鳥インフルエンザ、SARS関係でご質問、ご相談がありましたら、当館(代表番号:6278-0788)の医務官又は領事班にご連絡下さい。