今月16日(土)に上海で行われた反日デモは、総領事館や周辺の日系飲食店を中心に大きな「物的被害」をもたらしました。加えて、日本人2名がデモ隊に取り囲まれて軽傷を負うという「人的被害」も生じています。
インターネット上では5月1日、4日にデモの呼び掛けがなされており、今後もデモが発生しないとは断言できません。むしろデモがあることを前提に今しばらく言動に慎重を期するとともに、デモがあった場合には「自分の身は自分で守る」という原則の下、以下の諸点を参考にしつつ行動して頂きますようお願い致します。
【身を守ることを第一に考える】
1.デモには絶対に近づかない。
・デモに集まった群衆は、いつでも暴徒化する可能性を有しています。その際、日本人ということだけで攻撃の標的になる可能性は決して低くないと考えられます。さらに暴徒に取り囲まれた際に、当地の公安が確実に保護できるという保証もありません。興味本位でデモに近づかないことは勿論、デモの可能性のある場所には行かないことが大原則です。
2.日系店舗等、ビルの上層階にあっても警戒は必要。
・先日のデモ隊は商業ビルの3階や5階にある日系飲食店など、上層階まで上ってきて破壊攻撃を行いました。直接道路に面している1階の店舗ではないということは安心材料にはなりません。
3.デモのルートから外れていても警戒は必要。
・今回、事前にデモのルートとして挙がっていなかった古北地区の店舗も多く攻撃対象とされました。当館の調査では、多くの方が「デモ隊が来るとは思っておらず、精神的にも動揺した。」と答えられており、万一の事態に備え被害を最小限にするための準備をしておくことが必要です。
4.アパート内においても警戒は必要。
・今回、一部地元の人達がデモ隊を先導して日系商店や日本人が多く住むアパートに向かわせていたことが目撃されています。さらに、某アパートでは2階部分までデモ隊が侵入したことが確認されています。デモが発生した際は共用スペースで子供だけを遊ばすこと等は絶対に行わず、アパート内といえども十分注意して下さい。
5.親中国を示すことも万全ではない。
・「反日」を目的としたデモであることから、「日本の文字を隠す」「中国人従業員に中国の小旗を振らせる」「中国資本が入っていることを記載する」等で、店舗等の破壊を免れた例もあります。しかし、同様の対策を講じても破壊された店舗もあり、暴徒の襲撃を避ける絶対の対策はないものと心得て下さい。
6.在留届を提出する
・在留届が提出されていない場合、総領事館が皆様の住所や緊急連絡先を把握できないため、反日行動による被害を受けられたとしても総領事館が支援できないあるいは遅れる可能性があります。在留届は総領事館のホームページから提出可能です。必ず在留届をご提出下さい。
【多くの情報を入手する】
1.総領事館のホームページ ( HP ) 等を常にチェックする。
・ 総領事館では、新たな情報を入手し次第、可能な限り迅速にHPを通じて皆様にご提供致します。また、当地情報を発信している民間のHPでも随時情報を更新しているところがありますので、日頃からどこで最新の情報を入手できるかについて整理しておくことが重要です。
2.緊急メールマガジンに登録する
・総領事館では、事前に登録頂いた方に対してHPで更新される情報を「緊急メールマガジン」で配信しています。まだ登録が済んでいない方は、総領事館ホームページから直ちにご登録下さい。なお、緊急メールマガジンは在留届を提出された方しか登録できないので、ご注意下さい。
(問い合わせ先)
○外務省領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐に関する問い合わせを除く)
電話:(代表)03-3580-3311(内線)5139
○外務省海外安全相談センター(国別安全情報等)
電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902
○外務省 海外安全ホームページ:http://www.mofa.go.jp/anzen/
○在上海日本国総領事館
住所:上海市万山路8号
電話:(86-21)5257-4766