上海在住の日本人の皆様へのメッセージ

令和4年4月7日
 ここ上海では、晴れやかな春の装いも束の間、コロナウィルスの蔓延による未曽有のチャレンジに見舞われています。在留邦人の皆様におかれましては、様々な困難や心配事に直面し、大変なご苦労をされていることと思います。
 
 このたびの上海における感染症対策の強化、就中、封鎖措置が開始されて以降、当館には在留邦人の皆様から大変多くの多岐にわたるご要望や問合せが寄せられています。たとえば、帰国したいが外出や空港への移動が出来ない、食料や生活用品が不足している、隔離されても子供と引き離されることがないようにしてほしい、緊急時に病院に行くにはどうしたらいいか等々の生活上の切実な問題や心配事です。当館の中国人スタッフを含む全館員は、封鎖措置が発表になった直後から、隔離政策や日本への帰国に関し、上海市政府に具体的な要望を伝えて配慮を求めてきたほか、各区・各街道に対しても生活面を含めた様々な配慮と支援を一つ一つ要請して状況の改善に尽力してきております。また、同時に、他国総領事館とも緊密に連携しつつ、上海市政府に対して種々の要望を提出しています。
 
 上海市政府から上海市に所在するすべての総領事館や国際機関に対してなされた今回の感染症対策措置への切実な協力要請を踏まえ、当館館員も在宅勤務を余儀なくされています。このため、当館への電話は、緊急連絡事務所がいったん電話をお受けする仕組みとなっていますが、皆様からのご連絡を受けながら、中国人スタッフも含めて全館員で対処に当たってきております。現時点では、現場に駆けつけて、或いは地元当局へ足を運んでという対応ができず、なかなか解決に至ることが難しい状況もありますが、館員一同、全力で在留邦人の皆様のご支援を行ってまいります。皆様の参考となり得る情報については、引き続き領事メール等でご案内させていただきますので、是非ご覧ください。
 
 当館が管轄する上海市、江蘇省、浙江省、安徽省、江西省では、5万人を超える在留邦人の皆様が、これらの地域に暮らす中国の皆様と生活を共にする仲間として、感染症対策に日夜取り組んでいらっしゃいます。日本の多くの皆様は、日本国内での度重なる自然災害に直面した際に皆が一致協力して乗り越えてきた経験をお持ちかと思います。そうした日本人の美徳は、中国でも広く知られ、賞賛されています。目下直面する未曽有の困難を乗り越えるためには、現地コミュニティと在留邦人の皆様を含めたすべての人々の協力が必要であり、私達は必ずやこの困難を克服できるものと信じます。当地で暮らす皆様と共に一歩ずつ進んでいきたいと願っています。
 
在上海日本国総領事・大使
赤松秀一