トラブル(事件・事故具体例)

2020/3/2
 
(1)旅行は計画的に、金銭管理はきちんとしましょう! 
(トラブル発生)
Aさんはベトナムから中国N省に入国し、上海港から週一便の客船で大阪へ帰国する予定で広州から鉄道で上海に来ました。ところが列車の到着が遅延してしまい、予定していた船便に乗船できませんでした。このために査証無しで滞在できる2週間をオーバーしてしまい、所持金がほとんど無く総領事館に相談にきました。

(どうなった?)
先ず公安局出入境管理局に相談に行ってもらいましたが、列車の到着遅延がオーバーステイの正当な理由としては認められず、規定の罰金を支払うよう要求されました。当館から母親に連絡し、帰国旅費と罰金などの費用を送金してもらい次週の船便で帰国することになりました。ただ母親からは当人は放浪癖があり所持金があると滞在を続けるかもしれないので、必ず直ぐに帰国するようにしてもらいたいとのことでした。

(解説)
無計画な旅行や旅行先などでの盗難や紛失などにより所持金がなくなり困窮してしまうことがしばしば発生しております。当館では家族などへの連絡、送金方法や適当な宿泊場所の紹介などの支援をしておりますが、規則上、総領事館乃至担当官が困窮邦人に金銭を貸与することはできませんので、ご了承下さい。金銭やパスポートは外国であることを念頭に置いて十分に管理され、慎重に行動されるようにして下さい。
(2)マッサージにもご注意! 買春は厳しく処罰されます!
(トラブル発生)
Kさんは上海出張中、ホテル近くの理髪店でマッサージを受け、マッサージ嬢に誘われるまま別室で同衾しているところに警官に踏み込まれ、「治安管理処罰条例」により10日間看守所(日本でいう拘置所)で拘留されてしまいました。

(どうなった?)
Kさんの場合は軽い「治安管理処罰条例」による10日間拘留の行政処分のみで釈放され、罰金や国外退去処分を科せられることもなく帰国しました。

(解説)
買春行為は状況により「治安管理処罰条例」或いは「刑法」の適用を受けます。かかる行為に対する罰則は日本よりもかなり厳しく、特に斡旋罪に問われると刑罰はより厳しくなります。迂闊な行為から思わぬ落とし穴にはまり後悔することになりかねません。旅先では気がゆるみちですが厳に慎まれるようご注意下さい。
(3)“ぼったくり”にあわないよう注意しましょう! 
(トラブル発生)
Yさんは上海旅行中、夕方南京東路を散策中二人の中国人女性から“日本語を勉強中”だと声をかけられ誘われるままビル7階にあるコーヒー店に行きました。勝手にアルコール類や食べ物を注文され、飲食代として約2000人民元をクレジットカードで支払いました。更に今度は自分たちが支払うからとカラオケ店に誘われ1時間位飲食し、約1万人民元請求され、身の危険を感じたため言われるまま再びカードで支払いました。近くの派出所に行きましたが取り合って貰えなかったとのことでした。翌日どうしたらよいか総領事館に相談がありました。

(どうなった?)
先ずクレジットカード会社に連絡し支払い停止を求めるとともに支払先の店名・電話番号などを特定した後で管轄する派出所に日本語のできる人と一緒に行って被害届を提出するようにしてもらいました。カードの支払い自体を停止することはできませんでしたが、派出所の警官がコーヒー店及びカラオケ店に電話連絡し、店の経営者から支払い代金の約7割を取り戻すことができました。

(解説)
Nさんの場合は比較的うまく解決できたケースでした。一般的に“ぼったくり”事件は、請求金額の根拠や妥当性がはっきりせず、当事者間の民事問題だとして派出所は取り上げないケースが多くあります。特に、現金で支払い且つ店名、所在地が不明な場合には解決が困難になります。“ぼったくり”事件は日本人旅行者の多い、南京東路、茂名南路、虹橋開発区などで多く発生しており、当館からは公安局に取り締まりの強化を要請しておりますが、見知らぬ人に誘われて不用意に付いていくことのないようくれぐれもご注意下さい。
(4) 中国での外国人就労には所定の手続きを取って下さい!
(トラブル発生)
昨年12月、Oさんは中国で活躍の場を探すべくF査証(中国訪問、視察、商用などの査証)を持って上海に来ました。当面の生活費を捻出すべく、地元の広告会社で広告取りの仕事を始めましたが、当初の口頭での約束事のすれ違いから給与不払いが発生し、労働局に訴えを起こしたものの、生活に困窮を来たし総領事館に相談に来ました。

(どうなった?)
労働局の判断は、Oさんの活動は外国人の不法就労に当たるとして、労働争議として取り上げられず却下され、給与は不払いのままとなりました。たちまちにして家賃も払えず、生活に困窮しました。総領事館からOさんの親戚・知人に連絡をとり、帰国旅費をなんとか送金して貰い、帰国しました。

(解説)
中国で外国人が就業するためには、労働局から就業許可証と就業証、公安局出入境管理局から外国人居留許可証を取得しなければなりません。また就職の際には雇用契約書を締結しておかないと、Oさんの場合のように単なる口約束では相互に行き違いがあった場合に解決が不利になりかねません。中国の事情をよく理解された上で就業することをお勧めします。なお、規則上、総領事館乃至担当官が困窮邦人に金銭を貸与することはできませんので、ご了承下さい
(5) 臨時宿泊登記は必ずしておきましょう!
(注意喚起)(2015年5月12日改訂)
中国においては、中華人民共和国出境入境管理法第39条第2項において、「外国人が旅館以外のその他の住所に在留若しくは宿泊する場合、宿泊開始から24時間以内に本人若しくは宿主が在留地の公安機関に赴き、登記手続をしなければならない。」と規定され、また、同法第76条第1項第6号において、「法第39条第2項の規定どおりに登記手続をしなかったものは警告又は2千元以下の罰金を科すことができる。」旨規定されています。 異動等に伴い、新たに当地に赴任された方が、公安当局において、居留許可証の申請等を行う際には、同登記を済ませておく必要があり、申請時に未登記であることを指摘され、罰金を科されるケースも報告されているところ、邦人の皆様におかれましては御留意願います。
(6) 車上荒らしにご注意してください!
(トラブル発生)
この10月上旬、FさんはN市で開催された展示会への出張を終え、帰国の当日昼食のため立ち寄ったレストランの駐車場で駐車中の車の窓ガラスを破られ座席に置いてあった鞄を盗られました。鞄のなかには旅券、財布、航空券、商品サンプル、携帯電話などを入れてありました。警官の現場検証の最中に総領事館に通報がありました。

(どうなった?)
派出所の盗難受理票はもらいましたが直ぐに事件が解決するか分からないし、仕事の予定もあり急ぎ帰国しなければならず、当館発給の「帰国のための渡航書」による帰国手続きとり、全く所持金が無いため中国の取引先会社より当面の滞在費、航空券費用を借用して数日後に帰国しました。

(解説)
駐車中の窓ガラスを破られて座席の鞄を盗られたり、レストランや高速バス等の待合室で一瞬目を離した隙に鞄の置き引きに遭うケースが多発しております。旅券や財布は常時身につける、外から見える座席には荷物を置かないなどの注意をして下さい。中国で旅券をなくすと、ホテルの宿泊や飛行機の搭乗が出来ないし、旅券の再発給や「帰国のための渡航書」を取得することを考慮すると帰国までには通常少なくとも一週間程度の日数を必要とすることになります。
(7) 外貨の持ち込み・持ち出しには制限があります!
(トラブル発生)
この9月、Hさんは査証無しで現金300万円携行し無申告のまま入国しました。滞在予定期間を終え現金を費消しないまま胸ポケットに現金300万円を入れて出国しようとしたところ空港税関で見とがめられ、外貨管理法違反のため13万円の罰金を期日までに納めるよう言われ、納得がいかず総領事館に相談がありました。

(どうなった?)
「外貨持込・持出に関する法律」に違反しており、罰金額は規定の範囲内では低い金額であること、税関内に不服を申し立てる部署はあるが裁定には時間がかかることを説明し、結局罰金を支払い帰国しました。

(解説)
外貨の持出額は5 ,000USドル相当未満であれば当局の許可は必要ありませんが、5,000ドル以上10,000ドル未満の場合は預け入れ銀行の外貨持出許可証、更に10,000ドル以上の場合には外貨管理局と銀行の許可証が必要になります。これに違反した場合には各々のケースに応じた比率による罰金規定があり、担当官の裁量により決定されているようです。
(8) パスポート等はコピーをとっておきましょう!
(トラブル発生)
Sさんはこの10月、S市の友人の開業の手伝いのために中国にやってきました。帰国間際になりパスポートを盗られたことに気がつき、公安局に「旅券遺失証明」の発給を申請しましたが、写真付きの身分証明するものの提示を求められました。日本から戸籍謄本などを取り寄せ提示しましたが写真付きでないため受付してもらえず、どうしたら良いか総領事館に相談がありました。

(どうなった?)
当館からS市公安局に事情を聴取すると写真付きの身分証明がないと発給できないとのことでした。本人は運転免許証を所持せず、会社勤務でもないため写真付きのものが全くありません。やむなく当館より公安局に事情を説明し発給を依頼し、何とか発給して貰いました。 この間2週間以上の日数を要しましたが、「帰国のための渡航書」により帰国しました。

(解説)
外国においてパスポートは身分を証明する最も重要な公文書であり、注意深く保管することは当然ですが、盗難にあったりなくしたりすることがしばしば発生しております。当館での「帰国のための渡航書」やパスポートの再發給申請には公安局発行の「旅券遺失証明」が必要となります。公安局は申請の際に写真付きの身分証明を要求しますので、万一に備えパスポートなどのコピーを必ずとっておくましょう。
(9) 交通事故に遭った場合には24時間以内に診療を受けておきましょう! 
(トラブル発生)
留学を終え帰国間近のK子さんは夜、友人達とタクシーで帰宅中にタクシーが路上の設置物に衝突し衝撃を受けました。その時は外傷もなく、特に痛みもなかったためそのまま帰宅しました。3日後に頭痛が激しくなり、病院で診断を受けたところ「鞭打ち症」と診断されました。タクシー会社に連絡しましたが、なかなか誠実な回答が無く当館に総領事館に相談がありました。

(どうなった?)
K子さんには急ぎ管轄の警察署に事故届を提出してもらい、当館からタクシー会社に連絡し、事故発生地を管轄する交通警察署で補償につき話し合って貰うこととしました。事故の事実は受理されたものの、タクシー会社は24時間以上経過しているので保険会社から保険が下りず治療費は支払えないと主張しました。争う余地はありまいしたがK子さんは海外旅行傷害保険に加入していたことと、帰国が間近であったこともあり、結局治療費以外の補償は断念して帰国ました。

(解説)
本件は事故の3日後に発症したため、警察への届出と診断が遅れ、スムーズな解決が難しくなったケースです。「24時間以内に受診」という法律の規定はありませんが、一般的に事故が有れば直ぐに受診することが衆知されていることから、保険会社の保険金支払いの目処になっています。交通事故に遭えばその時の状況によって緊急処置はさまざまですが、病院にはすぐに行って受診しておくこと、なるべく事故現場に警官に来て貰い「事故裁定書」を作成して貰うよう心がけてください。
(10)ホテル室内での盗難にご注意!
(トラブル発生)
Aさんはホテルチェックイン後鍵をもらって入室しました。夕方に現金30万円、旅券、航空券などを入れた鞄を室内に置いたまま外出し、外出の際にドアがオートロックのため施錠は特に確認しませんでした。夕食後ホテルに戻ると鞄が無いことに気づき、ホテルから110番通報して貰い警察が現場検証をしました。被害届を提出し受理票は貰いました。

(どうなった?)
査証無しで滞在出来る期間(2週間)内に盗難品が発見されず、結局旅券の再発給を受け帰国せざるを得ませんでした。滞在費や航空券購入代金などはキャッシュカードで賄いましたが、本来の仕事にも支障を来たし、不本意な出張になってしまいました。

(解説)
三星級以上の比較的治安の良いと思われるホテルの室内でも盗難が時々発生しています。室内はドアの鍵を掛けると安心しがちですが、外出時は現金や旅券などの貴重品は必ずセーフティボックスに入れるかフロントに預けるよう心がけて下さい。ホテルは従業員が盗難に関与したことが明らかな場合以外は管理責任を問われず、賠償責任を負わないのが通常です。
(11)オーバーステイにはくれぐれもご注意!
(トラブル発生)
Nさんは旅券を出張先で無くし、パスポートの再発給申請のため公安局出入境管理局に「旅券遺失証明」の申請をしました。その際、NさんはZ査証及び居留証は持っておりましたが2年近く更新しておらず、大幅なオーバーステイとなり、「外国人入境出境管理法」違反により10日間看守所(日本でいう拘置所)で拘留されました。

(どうなった?)
Nさんの場合は悪質なオーバステイと判断され10日間の拘留後3日以内の国外退去処分となりました。Nさんはオーバステイを軽く考え手続きを怠ったため、折角の生活の基盤がありながら、当分の間は再入国も許されない困難な立場になってしまいました。

(解説)
外国人が中国で長期滞在するためには「外国人入境出境管理法」に基づき、目的にあった査証の取得や宿泊登記をしなければなりません。オーバーステイになったり手続きを怠ると罰則規定があり罰金を科せられたり、悪質と判断された場合には拘留され国外退去処分を科せられる場合もあります。査証の種類や有効期限には留意されくれぐれもオーバーステイにならないようご注意願います
(12)振り込め詐欺にご注意ください!(2015年5月12日追加)
最近、邦人の皆様より、「振り込め詐欺の被害に遭った。」との報告が多く寄せられています。具体的には、公安当局を名乗る者から携帯電話等に連絡が入り、中国語で、「あなた名義の口座が犯罪に関与している疑いがあり、口座の内容を詳しく調べる必要がある。」と言われ、指示されるままに、指定されたインターネットサイトに口座番号や暗証番号等の個人情報を入力したところ、知らないうちに口座のお金が他の口座に送金されるなどの被害で、極めて悪質かつ巧妙なものとなっています。  現段階においては、中国語を介して犯罪が敢行されており、邦人を主要なターゲットとしたものではないと考えられますが、邦人の皆様におかれましては、こうした被害が発生していることを認識いただき、注意いただくようお願いいたします。