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28日,当館多目的ホールで,杜勤・上海理工大学教授による日本文化講演会を開催しました。前日に降った雪のため道路の状態が悪く,当日にも雨が降って寒い中,100名を超える方に参加いただきました。
日本文化は中国文化の影響を色濃く受けてきましたが,今回のテーマである「日本文化の遺伝子」とは,日本文化が独自に持っていた考え方や生活習慣です。現在の日本文化に見られる「こまやかさ」の原点は,中国の影響を受けるより前,はるか古代に遡ることができ,いつの時代にも脈々と受け継がれてきました。杜教授によると,日本のビジネスホテルの客室掃除にすら,そのこまやかさ,おもてなしの心が表れているそうです。
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最近,杜勤教授が中国語に翻訳・出版された《细腻的文明》(原題『こまやかな文明・日本』千田稔氏著)をもとに,衣食住,習慣などのあらゆる面において,日本文化の遺伝子である「こまやかさ」が見られることをご紹介いただきました。具体的には,武道,庭園,詩歌など,平安時代の『源氏物語』からアニメまで話が及びました。内容はやや学術的ではありましたが,参加者の皆さんは最後まで真剣にお話を聞いていました。
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講演の後には質疑応答の時間を設け,参加者と講演者が交流しました。日本文化をより深く知ることができたという参加者が多かったです。
その一方で,「日本人は完璧さを求め,こまやかに気配りすることに時間をかけすぎる恐れがあるのではないか。それゆえAIなどの最先端の技術面で他の国に後れを取ることにならないか」という厳しい質問もありました。日本人に受け継がれてきた匠の技術は,世界的に評価が高いですが,日々最先端を目指してしのぎを削る技術面においてはこうした見方もあるでしょう。日本文化の長所をいかに生かしていくか,考えていくべき課題かもしれません。
杜勤教授,上海交通大学出版社の関係者様,ご協力ありがとうございました。
当館は,今後も様々な分野で日本文化を紹介していきます!