11月19日,早稲田大学の千葉俊二教授に当館多目的ホールにお招きして,先生のご専門である谷崎潤一郎をテーマにお話しいただきました。早くも冬の到来を感じさせるような寒い日でしたが,100人を超える参加がありました。
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谷崎潤一郎の生涯における数々の出会いという視点から,その作品への影響について紹介いただきました。日本文学史を織り込みながらのやや専門的な講演内容でしたが,メモを取りながら話を聴いている参加者もいました。質疑応答では,谷崎潤一郎の作品を読んでいる人たちからの専門的な質問もありました。日本文学というと,中国では東野圭吾と村上春樹が人気を二分しているかのようですが,谷崎潤一郎の知名度も高いようです。千葉先生も,参加者の日本文学に関する関心の高さに驚いておられました。
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谷崎潤一郎は生涯に2度上海を訪れています。谷崎と上海との「出会い」,それからおよそ100年を経た現代での皆さんと谷崎潤一郎との「出会い」―これらの「出会い」に,時空を超えたつながりがあるような気がしてなりません。今回の講座が,今後皆さんにとって谷崎潤一郎の作品を楽しむ機会となることを願っています。
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学生時代に谷崎潤一郎をテーマに卒業論を書いたという女性。流暢な日本語で,専門的な質問をしていました。 |
質疑応答では,谷崎潤一郎の作品が上海でもよく読まれているという印象でした。個別の作品の内容について触れる質問もありました。 |
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1つ1つの質問に丁寧に答えられる千葉先生。専門家から直接ご意見を伺おうと,鋭い質問もありました。 |
いろいろな視点から質問が出てきましたが,質問者の谷崎潤一郎の作品に対する知識の深さが伺えました。 |
ご多忙の中をお時間を割いて当館にお越しいただいた千葉先生,完璧な通訳をしてくださった周微さん,ありがとうございました。
当館は今後も,さまざまな分野で日本文化を紹介します!
広報文化センターに谷崎潤一郎の作品をはじめ,様々な日本文学の図書を配架しています。センターの会員になれば,図書を借りることもできます。関心がある方は,身分証をお持ちの上,一度見に来てみてください。