8月12日,東華大学の銭暁波准教授を当館の多目的ホールにお招きして,日本の推理小説に関する講演をしていただきました。
当日は130名を超える方々にご参加いただきました。日本の推理小説の人気ぶりが伺えます。
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本講演会では江戸川乱歩(1894~1965)を中心に,谷崎潤一郎から東野圭吾まで,多岐にわたる日本の推理小説史についてお話しいただきました。
戦前の推理小説はトリックを中心としたややファンタジックな内容で,経済成長期以降の推理小説はより現実的であるなど,各時期の作品の傾向についても社会情勢と関連付けてご説明いただきました。ちなみに,銭先生ご自身が中国の人々に読んでほしいと思っているのは,戦前の推理小説とのこと。
中国でも人気を呼んだ「人間の証明」(森村誠一)の表紙がスクリーンに映し出されると,多くの参加者がカメラで撮影するなどの反応が見られました。
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質疑応答の時間には,多くの参加者から手が挙がりました。中には,松本清張や江戸川乱歩の推理小説を既に読んでいた参加者から,「今の若い人の間の東野圭吾人気について銭先生ご自身はどう考えていますか?」という質問もありました。銭先生が質問に答えたら,他の参加者がそのやりとりをさらに発展させるという場面もありました。時に会場には笑い声が響き,会場の交流の雰囲気は終始なごやかなものでした。
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参加者の皆さんにとっては,今回初めて名前を聞いた作家が多いかもしれませんが,この講座で皆さんの日本推理小説の知識は深まったことでしょう。
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現在,広文センターに推理小説コーナーを設けてありますし,書架には今回ご紹介いただいた江戸川乱歩のシリーズの他,多くの推理小説作家の作品も置いてあります。興味を持った方はぜひ見に来てください。
当館は,これからも様々な分野で日本文化を紹介していきます!