
昨年は「日中文化・スポーツ交流年」として、当館は77件の文化・スポーツ交流事業に関わりましたが、今年は昨年を上回る81件の交流事業に主催・後援・協力等を行いました。
<各地で行われたJAPAN WEEK>

5月~6月にかけて開催された「安徽日本文化月間2008」は、安徽省合肥市内の3つの大学のイニシアティヴによって開催されました。本格的な日本文化紹介イベントが1ヶ月間集中的に開催されるのは、安徽省では初めてで、省内で日本語学科を有する本科(4年制)大学が全て参加した日本語弁論大会やカラオケ大会等は、上海に負けないほどレベルが高く、安徽省における日本語教育熱の高まりを感じさせられました。
● 浙江省
11月には「2008浙江ジャパンウィーク in 杭州」が、浙江省杭州市において、浙江工商大学の主催により当館や浙江省外事弁公室などの支援を得ながら盛大に開催されました。日本文化紹介イベントには、杭州市内にある12の大学の大学生及び教職員約1,000名が参加し、柔道、和服、和太鼓、大正琴、生花、茶道、書道、剣道等の実演や体験が行われました。どの公演の参加者も非常に積極的で、大盛況となりました。また、同イベントの実務的な運営は大学の教員や学生達が担っており、個々の日本文化紹介事業には上海や日本からの日本人ボランティア(約90名)が参加、実施するなど、運営面においても日中の連携・協力が行われていたことがとても印象的でした。


●江蘇省
11月28日~30日にかけて、江蘇省南京市で当館及び日中双方の各団体・機関との共催により、「2008 JAPAN WEEK in 南京」が開催されました。柔道家の山下泰裕氏による南京大学での講演会に始まった今回のJAPAN WEEKは、開幕式に日本のアニメ文化大使であるドラえもんが登場し、南京市の小学生400人との似顔絵ワークショップや、ドラえもん映画上映会が行われました。
また、国際交流基金による「南京ふれあいの場」開設記念イベントとして、J-POPコンサートが行われました。
全体を通じ、小学生から大学生までの青少年が1,000人以上参加し、「2008 日中青少年友好交流年」を締めくくるに相応しい事業となりました。


<コンサート>
●“Soothe”公演 南京・上海
津軽三味線小山会三代目の小山豊が中心となり、邦楽器に洋楽器を加え結成されたバンドグループ“Soothe”のコンサートが10月16日と18日の2日間、南京と上海で開催されました。参加者は2日間で800名を超え、会場は集まった若者達の熱気に包まれました。
南京では南京芸術学院流行音楽学院の学生がコンサートに参加しました。また、上海では地元のロック・バンド「冷酷仙境」との共演が実現しました。ミュージシャンと観客の双方にとって、音楽を通じ、国境を越えて繋がり合う感動的な体験となりました。


<講演会>
本年、当館ではより実務的・実践的な内容をテーマとした講演会を開催しました。

9月には、中国経済専門家の丸川知雄・東大社会科学研究所助教授を招き、当地で活躍する中国人若手ビジネスパーソンや政府関係者を対象に、日本企業の特徴を分析し、中国において活かすべき日本企業の強みや中国企業との共存をテーマとした講演会を実施しました。
●柔道家・山下泰裕氏講演会
11月には、ロサンゼルス・オリンピック柔道金メダリストの山下泰裕氏による「柔道を通した人づくりと国際交流」をテーマとした講演会を上海にて開催しました。
日本人だけでなく、柔道を学ぶ多くの中国人や欧米人の青少年が参加し、熱心に山下氏の話に耳を傾けていました。柔道が世界中のあらゆる世代に普及していることが改めて認識され、また柔道界で前人未踏の偉業を達成した山下氏が、柔道修行を通して得た経験や認識に基づいて、国際交流、日中交流の大切さを力説してくださいました。


●日本企業文化紹介講座
12月には、上海で勤務する中国人女性を主な対象として、質の高いサービス・接客・接遇の実現をテーマに、日本の航空業界の協力を得て日本のマナーや日本企業文化を紹介する講座をシリーズで実施しました。両日とも定員50人の会場が満員となる盛況ぶりで、顧客満足につながるサービス向上のノウハウや考え方に対する関心の高さが伺われました。


この他にも、学生団体や民間企業主導の文化・スポーツを通じた多くの日中交流活動が開催され、後援や広報協力など様々な形で当館も協力し、日中交流の促進を支援しました。来年も、日中間の交流の促進、理解の増進、信頼の強化のため、各種交流事業の主催、後援、協力等を積極的に行っていく考えです。