赤松秀一総領事・大使 新年のご挨拶(2024年1月1日)
令和6年1月1日

皆様に謹んで新春のお慶びを申し上げます。
昨年、なかんずく昨年後半からは、長く続いたコロナ禍から脱したことを実感できるような日常がようやく戻ってまいりました。多くの皆様が、コロナ禍にあって余儀なくされていた様々な制限や不安感から解放され、人心地つかれたことと思います。私自身、昨年は当館が所管する1市4省(上海市、江蘇省、浙江省、安徽省及び江西省)を中心に精力的に各地を訪問することもできるようになり、そして改めて強く感じたのは、2千年に及ぶ日中交流の歴史の厚みと、現在の日中間の経済、文化、人的交流その他多方面に及ぶ紐帯の太さでした。
訪問した各地で関係者の皆様に温かく歓迎して頂き、対面により有意義な意思疎通を図ることが出来ました。また、実際に訪問してみると、新たな発見や知らなかったことがたくさんあることに気付き、大いに学ぶことができました。コロナ禍にあっては、オンラインにより効率よく意思疎通や情報収集ができる面もありましたが、やはり実際に人と人との交流を通じて、また、自分の五感を通じて感じ取ることができることは遙かに多いのだと感じざるを得ませんでした。まさに「百聞は一見に如かず」です。今年は、日中の国境も跨いで、人と人との直接的な交流の輪が一層拡大していくことを期待しています。
昨年は日中平和友好条約締結45周年、また、中国の改革開放45周年という記念すべき年でした。昨年11月16日に行われた日中首脳会談では、両国が戦略的互恵関係にあることを再確認するとともに、両国首脳は、新しい時代の要求に相応しい、建設的かつ安定的な日中関係を構築していくとの共通認識を確認しました。こうした共通認識に基づき、当館と上海市との間では、日中双方の多くの関係者にご協力を頂きながら、昨年は、例えば、5月には水素社会の構築についてのシンポジウム、6月にはデジタルに関するセミナー、9月には日中双方の大学生500名による青年交流イベント、10月には高齢化社会への対応についての産業協力セミナーなどを成功裏に実施し、具体的な協力の端緒とすることが出来ました。今年は更に、新エネルギー車を巡る分野など日中両国が強みを持ち、共に発展するポテンシャルのあるタイムリーな課題に取り組んで行きたいと考えています。
両国の未来に向けて協力が可能な空間はまだまだ無限に広がっています。当館としましても、皆様のご意見やご懸念に真摯に耳を傾けながら、邦人の安全確保、日系企業の事業環境の一層の改善に向けて全力で取り組んでいく所存です。
本年が皆様にとりまして良き年となりますよう祈念申し上げます。