「『土』とともに~人と自然をつなぐ芸術」と題した講演会を開催
令和5年7月4日
6月22日、明珠美術館と共催で、「『土』とともに~人と自然をつなぐ芸術」と題した講演会を開催しました。
最初に、キュレーターの金澤韻氏が、アートと顔料の歴史について講演を行いました。世界で最も古いとされる6.4万年前の壁画や、エジプトの棺桶に描かれた絵、中国の敦煌莫高窟の壁画、日本の高松塚古墳の壁画等を例に、描きたいものが複雑化していくにつれて、人口顔料が開発されるなど、顔料が時代とともに発展してきた様子を紹介しました。その一方、杉﨑晴菜氏のような現代のアーティストが、土や灰など自然にある素材を使い、顔料の発展を敢えてさかのぼるような手間のかかる作品を制作するのは、人間も自然の一部であるということに、改めて人々の意識を向けようとしているからではないかと提起しました。
続いて、アーティストの杉﨑晴菜氏が、土や灰、煤などを使った自身の作品の制作過程や顔料の制作方法、これまでに参加したアートプロジェクトや作品に込めた思い等について語りました。杉﨑氏は、土や、貝殻、煙突掃除をして集めた煤など、その土地にあるもので、その土地にあるものを描いてきました。自然と対峙し、自然と交わりながら作品を制作することで、自分も自然の一部だと強く気づかされると言います。今を生きる人々が自然といかに関わってきたかを、自分の作品を通じて未来に伝えたいと語りました。
最後に、今回の講演会の企画者である株式会社KUMOの代表で建築家の飯島剛宗氏が、本講演の前日、前々日に上海日本人学校虹橋校にて行われた「土に触れる」をテーマとする、「記憶に残る体験型ワークショップ」の実践について紹介しました。このワークショップでは雲南から運んできた6種類の土を使い、150名の生徒が実際に土に触ってみた後、その土を使った顔料を使って、杉﨑氏の作成した図案に基づき5m×6mの巨大な絵を描きました。見る、触る、体験するというプロセスを経ることで、子供たちの記憶にずっと残る貴重な経験になると飯島氏は語ります。また、飯島氏が企画し、今回講演を行った金澤氏がキュレーター、杉﨑氏がアーティストとして参加予定の「土」をテーマとした展覧会についても紹介しました。「生土礼賛」と題された同展覧会は、今年12月頃に開催される予定です。飯島氏は、「土」に触れ、土を体感できる同展を通じ、持続可能性の意義を再認識してもらうと同時に、子供から大人まで、土に触れることで新しい気づきを得たり、アイデアを広げてもらいたいと語りました。
本講演会には100人近くが参加したほか、ライブ配信を行い、約1.3万人が視聴しました。
最初に、キュレーターの金澤韻氏が、アートと顔料の歴史について講演を行いました。世界で最も古いとされる6.4万年前の壁画や、エジプトの棺桶に描かれた絵、中国の敦煌莫高窟の壁画、日本の高松塚古墳の壁画等を例に、描きたいものが複雑化していくにつれて、人口顔料が開発されるなど、顔料が時代とともに発展してきた様子を紹介しました。その一方、杉﨑晴菜氏のような現代のアーティストが、土や灰など自然にある素材を使い、顔料の発展を敢えてさかのぼるような手間のかかる作品を制作するのは、人間も自然の一部であるということに、改めて人々の意識を向けようとしているからではないかと提起しました。
続いて、アーティストの杉﨑晴菜氏が、土や灰、煤などを使った自身の作品の制作過程や顔料の制作方法、これまでに参加したアートプロジェクトや作品に込めた思い等について語りました。杉﨑氏は、土や、貝殻、煙突掃除をして集めた煤など、その土地にあるもので、その土地にあるものを描いてきました。自然と対峙し、自然と交わりながら作品を制作することで、自分も自然の一部だと強く気づかされると言います。今を生きる人々が自然といかに関わってきたかを、自分の作品を通じて未来に伝えたいと語りました。
最後に、今回の講演会の企画者である株式会社KUMOの代表で建築家の飯島剛宗氏が、本講演の前日、前々日に上海日本人学校虹橋校にて行われた「土に触れる」をテーマとする、「記憶に残る体験型ワークショップ」の実践について紹介しました。このワークショップでは雲南から運んできた6種類の土を使い、150名の生徒が実際に土に触ってみた後、その土を使った顔料を使って、杉﨑氏の作成した図案に基づき5m×6mの巨大な絵を描きました。見る、触る、体験するというプロセスを経ることで、子供たちの記憶にずっと残る貴重な経験になると飯島氏は語ります。また、飯島氏が企画し、今回講演を行った金澤氏がキュレーター、杉﨑氏がアーティストとして参加予定の「土」をテーマとした展覧会についても紹介しました。「生土礼賛」と題された同展覧会は、今年12月頃に開催される予定です。飯島氏は、「土」に触れ、土を体感できる同展を通じ、持続可能性の意義を再認識してもらうと同時に、子供から大人まで、土に触れることで新しい気づきを得たり、アイデアを広げてもらいたいと語りました。
本講演会には100人近くが参加したほか、ライブ配信を行い、約1.3万人が視聴しました。